【激熱ミッド】Seymour Duncan STR-2 Hot Tele Neck テレキャスネックパワーアップ!【ダンカン解析】
👆 激熱テレネック Seymour Duncan STR-2 Hot Tele Neck の音質を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan STR-2 Hot Tele Neck でテレキャスターネックのミッド激太化計画!
今回は Seymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、STR-2 Hot Tele Neckの音質を解析です。STR-2は以前紹介したブリッジ用STL-2と同じく、Hot Teleの名を冠するテレキャスター用ハイパワーピックアップとなっています。
Hot Teleというモデル名を体現するが如く、太く暖かなミッドレンジを再生可能です。テレキャスは中高~高音の煌びやかさに反し、ややミッドが控えめになる傾向があります。
ヴィンテージ系PUの場合はその傾向が顕著で、破壊力のあるリードトーンの作成が難しいのです。
STR-2 Hot Tele Neckは高出力コイルとロングマグネット搭載!
そこでSTR-2は巻き数を増やした高出力コイルワインドを採用し、アウトプットレベルを上昇させています。更にヴィンテージ系ポールピースよりも、長めのアルニコ5マグネットを搭載です。
同ブランドのSTR-1と比較して、STR-2のマグネットは約12%も長く設計されています。オーバーワインドとロングマグネットが合わさり、出力はSTR-1の2倍以上の値(2.28倍)を実現しました。
かといって極端にテレキャス感を損なう訳ではなく、輪郭が一回り太く聞こえる絶妙な味付けです。適度な高音のレスポンスも残しつつ、ローミッドの存在感を高めることに成功しています。
STR-2 Hot Tele Neckはザグリの深さをチェック!
ロングポールピースを搭載しているため、STR-2は一般的なテレネックPUよりもコイルに厚みがある点に注意です。STR-1ではカバーの頂点からマグネット底面まで、およそ0.683インチの設計です。
STR-2は0.764インチで設計されており、約1.12倍ほどザグリの深さが必要となります。弦とポールピースが近くならないようにザグリを掘り直すか、スポンジの厚みを薄くするなどして対処しましょう。
STR-2とSTR-3どちらを選ぶべき?
ここで気になるのは、STR-2と近いピックアップ特性を持つSTR-3の存在です。両モデルは共にハイアウトプット仕様で、加えてミッドレンジのパワーアップを念頭に設計されています。
まずオプション面の差異として、STR-2はタップ対応モデルが存在しません。STR-3のタップ対応モデルSTR-3tは中間タップ(ハーフターン)採用により、配線次第で出力を半減させることが可能です。
ただしSTR-3は他モデルとのマッチングは考慮されておらず、実質的にSTL-3専用となっています。一方STR-2はSTL-2だけでなく、STL-2と近い出力を持つST59-1b Little ’59 Teleとも相性が抜群です。
そこで本記事ではSTR-2の倍音特性を解析しつつ、STR-2とSTR-3の周波数特性を比較していきます。可能な限り両モデルの特性を詳しく調べましたので、購入の参考になれば幸いです。
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公表データの確認:Seymour Duncan STR-2 Hot Tele Neck
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Hot Tele Neck (High Output Tele Pickups)
型番:STR-2
マグネット:アルニコ5 (Alnico 5 Rods)
直流抵抗値:9.9kΩ
アウトプットタイプ:Medium
出 力:3.2
トーンチャート:低音域 6 / 中音域 4 / 高音域 5
ワイヤー:PVC Lead Wire
レゾナントピーク:8.00kHz
Seymour Duncan STR-2 Hot Tele Neck の倍音特性 (E2/82.407Hz)
最初はアンプをクリーンにセットした状態で、STR-2のE2開放弦の倍音特性を解析しました。
STR-1などのヴィンテージ系と比べると波形の形状は似ていますが、低~中音域の非整数倍音が控えめとなっています。基音以下の非整数倍音もスッキリしているため、基音~第三倍音が明瞭で低音がぼやけておりません。
参考:STR-1の倍音特性
STR2は中~中高音域の倍音はSTR-1よりも出力が高く、尚且つ4kHz以降も出力の高い高次倍音を計測です。故に低~中音域はクッキリとふくよかに、高音域は低音に埋もれぬ煌びやかさを保ちます。
基音以降の全帯域で倍音の出力がアップしているね!
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音82.407Hz 偶数次倍音:第2倍音(164.814Hz)、第4倍音(329.628z)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(247.221Hz)、第5倍音(412.035Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
STR-1の解析についてはコチラ!
クリーンの音質をSTR-2とSTR-3で比較!
続いて倍音計測時の設定のまま、クリーントーンにおける周波数特性を解析です。標準的なテレ用ネックPUに近い波形を計測していますが、400~2.5kHzにかけて高めの値を記録しています。
3k~6kHzにかけては少し弱めであるものの、6kHz以降の超高音域はヴィンテージ系と大差がありません。そのため倍音特性通りの太いミッドレンジを演出しつつ、高音のレスポンスも良好です。
STR-3のクリーン
STR-3はよりローエンドの出力に特化しており、800Hz以下の帯域はSTR-2以上の値を計測しています。STR-2が中~中高音に秀でているとすれば、STR-3の得意とする帯域は低~中音域です。
800Hz以降の帯域は全てSTR-2が上回っているため、一層ローエンドの強烈さに拍車をかけています。音のふくよかさよりも硬さが前に出やすく、ゴリっとした荒々しい中音です。
STR-2とSTR-3が得意とする中音域はSTL-2とSTL-3の関係とは真逆!
低中音寄りか中高音寄りかに分かれる点については、同系統モデルのSTL-2とSTL-3の関係に近いものがあります。
Hot teleとQuarter Pound Tele
得意とする帯域
・STL-2 →低~中音 ・STR-2 →中~中高音
・STL-3 →中~中高音 ・STR-3 →低~中音
ただしSTL-2は低~中音が得意となっていて、STL-3は中~中高音が爆発的かつ華やかです。ブリッジとネックで互いの得意とするレンジが逆転しており、その関係性が絶妙なバランス感を構築しています。
Hot teleやQuarter Pound Teleはブリッジとネックを揃えて使うのがベスト!
だけど『STL-2と同じトーン傾向』を期待していると肩透かしを食うかもね
STL-2のようなゴリゴリしたローミッドではなく高めの中音域を強化したモデルと考えておこう!
STL-2とSTL-3の比較検証記事はコチラ!
オーバードライブの音質をSTR-2とSTR-3で比較!
最後にアンプを歪ませた状態で、オーバーライブの周波数特性を調べました。STR-2とSTR-3はアンプ直でもドライブしやすく、ザクザクと子気味良いクリスピーな歪みに変貌です。
ところがクリーン時ほど両モデルに得意な帯域の差が感じられず、波形をみてもほとんど差がありません。強いて挙げればSTR-2は400~2kHz付近がSTR-3よりも強いため、ミッドレンジに直進性が加味されています。
STR-3のオーバードライブ
STR-3を細かく帯域別にみると、400~2kHz付近と6kHz以降はSTR-2よりも控えめです。2k~6kHz付近はほぼ同等の値を計測し、500Hz以下の帯域は幾分STR-3に軍配が上がります。得意とするミッドレンジの関係性に変化はありませんが、クリーンほど明確な違いはないとお考えください。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
Seymour Duncan STR-2 Hot Tele Neck 音質解析 まとめ
ヴィンテージ系テレキャスネックモデルよりも強力なミッドレンジを備え、深く歪ませることも出来るハイパワーピックアップです。テレキャスネックの空洞的な中音に苦手意識のある方や、図太く暖かなリードを奏でたいプレーヤーに最適となっています。
高音のレスポンスが良好な点も嬉しく、音が太くなってもテレキャスらしさが損なわれません。ローエンドに爆発力と存在感を求める場合は、選択候補に入れておきたいピックアップです!
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STR-2 Hot Tele Neck (ネック用)
Seymour Duncan STL-2 (標準ブリッジ用)
Seymour Duncan STL-2t (タップ仕様)
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