【楽器いじり】Aria Pro II 714-AE200 電気系統グレードアップ
👆 ARIAPROII ( アリアプロツー ) / 714-AE200 Lavender
Aria Pro II 714-AE200 の心臓部にメス!
前回はAria Pro II 714-AE200 LVを細部まで分解して、全パーツを丸裸にしていきました。今回は各パーツからウィークポイントや改良点を考察しながら、無加工で搭載可能な改造パーツを調べていきましょう。ここで言う無加工とは“ボディ等の木部に余計なねじ穴を開ける事なく、ポン乗せで搭載出来るパーツ”を指します。ギターのみならず基本的に木材や金属は、一度穴を開けるなどの加工を行うと完全には元の状態に戻すことが出来ないのです。
👼「加工にも入手にも苦労した渾身のパーツが、元のパーツよりも音がイマイチで使い物にならない!」
これは多くの楽器いじリストにとって、一度や二度は必ず心に致命傷を与えたであろう魂の叫びだと思います。元に戻そうにもボディはすでに風穴が開いており、途方もない敗北感に打ちのめされる事間違いありません。故にボディへの加工は最終手段として温存し、まずは加工無しで最良の結果を目指す事を目標とするのがベターです。無加工ポン乗せの最大のメリットは、期待通りの成果が得られずとも簡単に復元する事が出来ます。
パーツデータと同様に『ピックアップアッセンブリー』『ネック』『ボディ』の項目毎に、音質や演奏性の向上に役立つ無加工楽器いじり情報をご提案です。かなり情報量が多くなるため、ここでは『ピックアップアッセンブリー』の改造について考察していきます。
ピックアップアッセンブリーをいじる!
ギターの音が最も変化する要素といえば、やはり電気系統の部品構成に尽きるでしょう。ピックアップは劇的にサウンド特性を変化させ、電装パーツ類は操作性に与える影響が大きいです。714-AE200では標準的なミリ規格の設計につき、サイズが合えば容易に交換可能となっています。
714-AE200 のピックアップは良い音なので無理に変更しなくてOK
とはいえ本機に採用されているCPH-1およびOS-5は、無理して交換する必要性は高くありません。出音が気に入っているのならば、そのまま使用し続けても問題は無いでしょう。ローやミッドよりも煌びやかな音が欲しい方や強烈に歪ませたい方、純粋に音が気に入らないという場合に手を出してください。
👆 SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SH-4 JB ピックアップ
まずリアポジションは高音域が控えめにつき、SEYMOUR DUNCAN SH-4 JBなどが真っ先に思い浮かぶハズです。しかし6弦側が半ダイレクトマウント仕様な設計なので、ピックアップの足の長さに注意する必要があります。SHシリーズは足がかなり長い設計のため、ピックアップを低くセットできない可能性が高いです。本機はブリッジのピッチが10.8mmなので、足の短いTBシリーズを使用すると今度は若干ポールピースピッチが広くなります。
CPH-1を真横から見ると、かなり背の低い設計である事が一目瞭然です。6弦側は取付の際ボディとの間にスプリングを挟み、ねじを緩めるほどPUの高さが上がります。
👆 DIMARZIO ( ディマジオ ) / DP100 F-SPACE SuperDistortion
というわけで同じような周波数特定でハードにドライブさせたい場合に限り、DIMARZIOのDP100 SUPER DISTORTIONなどが交換候補筆頭です。かつてAria Pro IIのPE-1500ではClassic Powerが搭載される前に、SUPER DISTORTIONが採用されていた時期がありました。アルニコ5とセラミックの違いや出力の差はありますが、意外とすんなりハマる音に仕上がるのではないでしょうか。CPH-1が10.2mmピッチにつき、F-SPACEのモデルがベストマッチです。
センターとフロントは10.0mmピッチにつき、10.4mmや10.5mmでは若干センターが合いません。SEYMOUR DUNCANも10.4mmのモデルが多いため、ピッチ重視の場合は選択の幅が狭くなります。
👆 SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SSL-7 Quarter-Pound Starggered
センターから少しズレても良い場合は、1/4インチの大型ポールピースを搭載したSEYMOUR DUNCAN SSL-7 Quarter-Pound Starggered等が一応候補です。
変化球的になりますが、レールタイプのポールピースを採用のピックアップはピッチを気にせず本機に搭載することができます。ただしSEYMOUR DUNCANのSVR-1n Vintage Rails Neck/Middleなどは、中域が控えめの設計なのでOS-5とは真逆に近い周波数特性です。
👆 SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン ) / SVR-1n Vintage Rails Neck/Middle White
その他金属カバー搭載のハムバッカーは、ザグリのスペース不足でほぼ確実に搭載できません。定番所のダンカンとフェンダーが完全には適合しないため、ピックアップの周波数特性以上に『寸法の精査』を念頭に置いてください。
……実はAmazonで流通している激安ピックアップは、本機に無加工で適合出来るモデルが非常に多いです。とはいえ性能や品質にかなりムラがあるのも事実なので、日を改めて激安ピックアップの特集を組む事を考えています。
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ボリュームを酷使するならポットを交換推奨
👆 SCUD ( スカッド ) / CTS-A500MM CTS製ミリサイズ互換ポット
本機のボリュームポットは、エントリー機種で良く見かける小型のミリサイズです。機能的に不具合はありませんが、ボリュームを駆使するならばCTSのポットへの変更を検討しましょう。抵抗値は500kΩでカーブはAを推奨、ノブを交換しない場合はミリサイズ互換のショートシャフト一択となります。
👆 MONTREUX ( モントルー ) / CTS A500K vintage style [8056]
ノブも変更する場合や軽めの操作性が好みの場合は、インチ規格のへそ付きvintage styleがお勧めです。
コイルタップを多用するならスイッチポットをPUSH-PUSH式へ
👆 ESP ( イーエスピー ) / BOURNS SW POT 500KA PUSH-PUSH
スイッチポットに関しては、正直なところ『これがベスト!』と推せるパーツがありません。摩耗が激しい部品となるため、壊れたり不具合が生じてからの交換でも良いと思われます。強いて挙げるならば、演奏中にコイルタップを多用する場合はPUSH-PUSH式が非常に便利です。ハットタイプでも扱いが容易となり、何よりも切り替えが何倍も楽になります。
コンデンサは交換&ハイパス増設もアリ
👆 MONTREUX ( モントルー ) / Retrovibe Oil Capacitor 0.033uF 200VDC
キャビティのスペースが広めのため、コンデンサはある程度大型でも搭載可能です。オレンジドロップなどの定番はもちろん、コイルタップを考慮して0.033μFへの変更も考えられます。
👆 MONTREUX ( モントルー ) / Sprague Orange Drop 716P 0.001uF 600V [888]
個人的にお勧めしたいのは、ボリュームポットへのハイパスコンデンサーの増設です。特にピックアップを交換しない場合は、ぜひ1,000pF程度のコンデンサを追加しましょう。ボリュームを絞った際にハイパスフィルターが作動し、ロー~ミッドに特徴のある本機でも滑らかな音色に変わります。
0.022μFコンデンサの音質解析はコチラ!
アウトプットは接点増加がGOOD
👆 Pure Tone Jack ( ピュアトーンジャック ) / PTT1
アウトプットのモノラルジャックは、ポット類と同じくエントリー機種では良くみかける汎用タイプです。シェア的にはSWITCHCRAFT 11がダントツですが、もう1ランク上を目指すならばPure Tone Jack PTT1をチョイスしましょう。PTT1はホットとコールドの接点が2つずつあるため、計4つの接点でプラグをガッチリとホールドします。信号伝達能力も極めて優れており、最早選ばない理由が無いというレベルです。激しいギターパフォーマンスを生きがいとしている方は、真っ先にPure Tone Jackへの交換を検討して下さい。
Pure Tone Jack PTT1のレビューはコチラ!
ノイズ減を狙うなら配線はシールド線へ
👆 MONTREUX ( モントルー ) / 1 conductors shield wire 1 meter[8253]
内部配線はこれといった特徴が無く、ビニール被覆の撚り線のみが使用されています。配線が必要になる箇所も多くないため、拘りが無い場合は特に交換する必要がありません。ノイズを少しでも減らしたい場合は、アウトプットジャックへの配線をシールド線にすると良いでしょう。OS-5は配線が交換可能となっているので、こちらもシールド線にするとノイズ耐性が向上です。若干ハイ落ちしますが、元よりあまりハイの出ない機種なので深く悩まなくても良いと思います。ノイズを減らしたいかどうかの問に対してYESならシールド線、NOなら交換しない程度の考えで問題無いです。
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ハンダはお好みで
👆 MONTREUX ( モントルー ) / Kester 44 1.5m [1475]
はんだはギタリストによって音への影響も含めて重視するかどうか、著しく意見が割れやすい傾向にあります。何を使用しても変化を感じない人もいますし、どこまでも繊細にはんだに拘りを見せる人もいるのです。これはもう完全に個人の主観による部分が大半を占めますので、精神安定的な面からも拘りのある人は好みのはんだをご利用ください。個人的には雑なはんだ処理が目立つ場合に限り、はんだを全て取り除いてはんだ付けをやり直しています。
ハンダによる音の違いを知りたいならコチラ!
714-AE200 のピックアップアッセンブリー改造完了!
以上が無加工で対処可能となる、714-AE200のピックアップアッセンブリー改造例です。次回はネックおよびブリッジ回りを中心としたボディについて、詳しくいじりポイントを調べていきましょう。
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