【楽器いじり】Aria Pro II 714-AE200 ネック&ボディ回りを改善

👆 ARIAPROII ( アリアプロツー ) / 714-AE200 Lavender
Aria Pro II 714-AE200 ネックとボディいじり!
前回はAria Pro II 714-AE200 LVのアッセンブリーの改造を考察し、目指すべきサウンド傾向がイメージできたと思います。今回はネックとボディをいじり、演奏性の向上や安定感、寿命を考慮した改造パーツを調べていきましょう。当然ながら木材の無加工を前提とし、手間をかけずとも高い効果の期待出来る情報をご提案です。
714-AE200 のネックをいじる!
ネックに搭載されている部品は、いずれもチューニングやピッチの安定感に大きく直結します。無改造のままでも十分な品質は保たれていますが、アーミングを多用する際は各パーツをランクアップするのが吉です。
ペグはL6配列&取付穴が45度ならオールOK

👆 GOTOH ( ゴトー ) / SG381-07-L6-Chrome
初期搭載のペグは他の汎用ロトマチックペグと同じく、GOTOHのSG381を基に設計されています。ペグの配列は当然ながらL6を採用で、ねじの取付部がギアの中央から45度のタイプです。アームを使用しない場合でも、SG381に交換することでチューニング精度が飛躍的に向上します。
アーミング狂のプレーヤーは少し予算を奮発し、ロック機構付きのペグを選択しましょう。価格面ではSG381-MGT-AB07-L6-Chrome、高い精度を求めるならばSGS510Z MG-T A07 L6 Chrome、SCHALLER派の方はM6 135 Lockingがお勧めです。

👆 GOTOH ( ゴトー ) / SG381-MGT-AB07-L6-Chrome

👆 GOTOH ( ゴトー ) / SGS510Z MG-T A07 L6 Chrome

👆 SCHALLER ( シャーラー ) / M6 135 Locking CH 6L / 6LM6LB-C

もちろん旧タイプのSG381シリーズも搭載可能です。眠っているパーツや古いギターがある場合、不具合がなければ本機へ移植しても良いと思います。オークションでは、新品のゴトーペグより安くゴトーペグ付き中古ギターが入手出来る事も……。
その他 714-AE200 に搭載可能なペグ一覧はコチラからどうぞ!
コスパ重視でペグの重量を純正よりも増やしたい場合はコチラ!
» 【激安ギターパーツ】ARIAの2千円ペグは平均的性能で使いやすい!【AT-235G_ロトマチック/L6】
※714-AE200純正:174.9g→AT-235G:196.4g
ストリングリテイナーでテンション&アーミング性能調整

👆 GOTOH ( ゴトー ) / RG15 & RG30 Nickel
見落とされがちなパーツですが、ストリングリテイナーが演奏時に与える影響は無視できません。本機は台座の高さが異なるカモメ型を採用しており、形状を変える事で弦のテンションをある程度調整可能です。GOTOHのRGタイプはナット落ち防止だけでなく、表面が滑らかなので余計な振動の少ないタイトなテンションとアーミング精度向上が期待できます。

👆 ALLPARTS ( オールパーツ ) / AP-0726-023 Roller Guitar String Guides
ALLPARTSのローラータイプは実際にローラー部が回転するため安定感は抜群ですが、高さの微調整が不可能な点に要注意です。

👆 FENDER ( フェンダー ) / AMERICAN STANDARD STRING GUIDES
アメスタでおなじみのストリングガイドは一見無改造で搭載出来そうですが、台座の裏面に突起があるため若干加工が必要となります。
アーミング性能に振り切りたい場合はDynaguide!
ヒールレスジョイントにつきプレート類は取付不可
近年ではネックジョイント用のプレートなども、音質向上用のパーツとして流通が盛んです。しかしながら本機はヒールレスジョイントにつき、ネックの取付にはジョイントブッシュが採用されています。加えてネックシムも使用されていないため、取付部周辺は手を付けずに初期状態のままで良いでしょう。
ナットは自作orスロット付きを整形必須
サスティーンやチューニングを安定させるため、ナットも手入れをしたいパーツの一つです。ただし本機のようなエントリー機種の場合、スロット付きの市販ナットをポン乗せする事はできません。必ずネックの状態にあわせて自作したり、市販ナットを加工する工程が必要となります。

👆 GRAPHTECH ( グラフテック ) / PT-5042-00
さて714-AE200はナット幅が3.1mm、ナットの長さが41.9mmの設計です。スロット付きのナットでは、GRAPHTECH PT-5042-00が最も最小の加工で搭載出来ます。カーボン材はアーミングとも相性抜群なので、消耗が激しい様子ならば交換に挑戦するのも一興です。

👆 Gruv Gear ( グルーブギア ) / FretWraps String Muters Small Wine (Burgundy)
パーツではありませんがネック周辺のアクセサリーとして、SNSなどを中心にフレットラップが流行しています。余計な倍音を減らす目的でフレットラップを使用する場合は、機種のカラーリングに合わせるかブラックをチョイスしましょう。
フレットラップ関連記事はコチラ!
714-AE200 のボディをいじる!
他の部位には手を出さずとも、絶対に714-AE200のここだけはいじって欲しいというのがボディです。レビューでも紹介した通り、本機はキャビティ内部にノイズ処理が行われておりません。アンプ直のクリーンやライブでは目立ちませんが、強く歪ませた際やライン撮りの際に結構気になります。ピックアップキャビティーのノイズ対策は、714-AE200いじりの最優先事項として行って下さい。

凸凹キャビティは水性導電塗料で一発だよ?

👆 SH ( サウンドハウス ) / ギター&ベースノイズ対策セット アルミシールドテープ
キャビティのスペースが広い714-AE200は『深さ』の加工が最小限となっています。ピックアップの高さ調整ねじが接触する部分は、最小限のスペースで溝が掘られているのです。ボディ鳴りを低減させない配慮がうかがえる設計ですが、これがノイズ対策時に曲者となっています。最もお手軽なノイズ対策は、やはりアルミテープや銅箔テープを全面に貼り付けてアースを落とす事です。

ところがテープ貼り付けの場合、キャビティとテープの間に隙間が出来るとマイクロフォニックの要因となります。アルミテープで処理したボディのノイズが減ったのに、何故か接触音が大きくなってしまったという経験はありませんか?処理前にその現象が起きていなかった場合は、十中八九テープの隙間が多すぎる事が原因です。テープで処理する場合は隙間を少なく、ピッタリとボディに密着させて貼り付けなければなりません。本機はピックアップねじの溝部がかなり凸凹なので、処理する際は丁寧にテープをキャビティ形状に合わせて折り曲げましょう。


👆 SH ( サウンドハウス ) / ギター&ベース ノイズ対策セット 水性導電塗料
手先の器用さに自信が無い場合は、塗布の容易な水性導電塗料を使用するのがお勧めです。ただしこちらは水性とはいえ、一度塗布した後は元の状態に戻す事が出来なくなってしまいます。実際にキャビティの状態を見て、どちらが自分に向いているのかをご判断下さい。
アースラグを使用する際はネジ止めが必須となるため、両面導電性銅箔テープを有効活用です。銅箔テープはハンダ付けが可能なので、アース用のワイヤーを直接はんだ付けしてアースを落とせます。見えない箇所でもボディに穴を開けたくないという方は、一度こちらの方法をお試しください。

ノイズ対策を親戚の中学生に実演してもらいました
ストラップピンは大型で決まり

👆 SCHALLER ( シャーラー ) / S-Locks Chrome ストラップロックピン
ストラップピンは特に変わったものではなく、FENDERスタイルの標準ピンを搭載です。ポプラボディ+WOV06だけでも結構な重量があるため、少し大型のピンに交換した方が無難でしょう。定番のシャーラーは少し深くねじ止めする必要があるので、取付のお手軽さを重視するならばGOTOH EP-B3などがお勧めです。

👆 GOTOH ( ゴトー ) / EP-B3 Chrome
ロックタイプをご所望ならコチラ!
ブリッジはWOV06を改造してパワーアップ!
ブリッジはサウンド、操作性、チューニング、テンション等、あらゆるギターの状態と密接に関わるパーツです。本機に搭載のWilkinson WOV06は、スタッドピッチが56mmと標準的2点支持の設計となっています。色々と交換候補のブリッジが多いのですが、ここはWOV06を改造する方向での調整が望ましいです。
まず第一に、採用されているスタッドがM7ねじタイプと若干太いサイズである事が挙げられます。アンカー式スタッドはM6のケースが多いため、714-AE200はM6スタッドを搭載出来ません。アンカーごと交換する場合も、アンカー外径が大きいため穴埋め等の処理が必須となります。M7のスタッドにM6で設計されているブリッジを使用した場合、スタッドピッチが共通でも微妙な狂いが生じるのです。
WOV06は高性能なブリッジにつき、個人の好みで気になるパーツを交換していきましょう。
プレスサドルでヴィンテージな外観へ

かつてアメスタでは、ブロックサドルを搭載した2点支持トレモロが採用されていました。現在はプレスサドルが採用されており、他のブランドでもプレスサドル搭載機が多くなっきています。プレスサドルに交換したい場合は、GOTOHのS108が10.8mmピッチにベストマッチです。
スプリング交換でサウンドにコシをプラス

👆 RAW VINTAGE ( ロウビンテージ ) / RVTS-1 トレモロスプリング
こちらも大定番、トレモロスプリングはRVTS-1に交換することでサウンドにコシが生まれます。2点支持の場合はスプリングが与える恩恵が非常に大きく、フローティング性能や安定感も向上です。価格もブリッジパーツの中ではお手頃で、交換も手軽に出来るナイスなアイテムとなっております。
RAW VINTAGE RVTS-1の音質変化をチェック!
余力があればスプリングハンガーもチェンジで倍音爆増!
ブリッジを丸ごと交換するならスチールブロック搭載のWilkinson WVP-SB&アーミング性能重視のWilkinson WVS50IIK!
ブリッジ愛好家が必ずといって良い程に拘りを見せるのが、サスティーンブロックの材質です。やはりスチールブロックの人気は凄まじく、多くのブランドがトレモロ用ブロックを開発しています。どうやらWilkinsonでは、ブリッジのピッチごとに交換用ブリッジをラインナップしている模様です。市販モデルでは無いWOV06にも搭載出来る可能性があるため弦間10.8mm&スチールブロック搭載のWilkinson WVP-SB、およびアーミング性能が優秀な弦間10.5mmのWVS50IIKを取り寄せています。後日現物が届きましたら、適合可能かどうかを追記する予定です。
→搭載可能でした!
👆 Wilkinson WVP-SB 10,8mm 2点 レモロブリッジ ユニット SUS
Wilkinson WVP-SBのレビューはコチラ!
アーミング性能に重点を置くならWilkinson WVS50IIK!
» 「安ギター音質改善!?」 Wilkinson WVS50IIK 2点支持トレモロブリッジ レビュー!【完全解析】
※10.5mmですが弦間アジャスト機能を使うことで10.8mmにも対応可、詳しくは記事内にて(弦落ち対策として10.5mmのまま使用しても問題無し)
『長く楽器と向き合う願い』 714-AE200 総まとめ

全4回に渡り、Aria Pro II 714-AE200との付き合い方を見てきました。本機は低価格ながらも十分にそのまま使えるクオリティを有し、いじり倒す事で更なるポテンシャルを引き出せます。
『色褪せず長い間使っていただける事を願う』
このアリア・エバーグリーンの理念は演奏だけでなく『楽器をいじって向き合う』要素も含まれているのかもしれません。ぜひとも本機を入手した皆様は、手入れや改造を繰り返しながら長く使い続けていける1台に仕上げて欲しいと思います。
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