Yamaha Day は80年代YAMAHAのパーツ欠品中古ギターにご用心💖

2021年7月7日ギター,エレキギター,ジャンク品,Yamaha Day,YAMAHA


Yamaha Day は80年代YAMAHAのパーツ欠品中古ギターにご用心 サムネイル

目次

7月1日は Yamaha Day ですってよ!

本日7月1日は、ヤマハ発動機株式会社の創立日にちなみYamaha Dayとされています。ツイッターのTLで見かけて知ったのですが、今年で創立から66年を迎えるそうです。Yamaha Dayは年2回制定されており、ヤマハ株式会社創立日である10月12日も該当します。異なる2大ランドを扱う会社故に、お互いをもっと知ろうという狙いがある模様ですね。

という訳で今日はバイク派の方にも、深くヤマハギターについて知ってもらいましょう。夏休みが近い事もあり、長期休暇に楽器いじりを計画している人もいると思います。趣味に時間を割ける時は中古ギターの整備や改造、ジャンク修理にはもって来いです。オークション等に貼りつき、安価なジャンクギターを狙っている人も多いと思います。

部品欠品ジャンクが狙われる理由 Yamaha Day

ジャンク品の多くは動作不良品ですが、最たる物は『部品の欠品』に尽きるでしょう。とりわけ安価で出品されるものは、ブリッジやピックアップ等の重要部品の欠品です。しかし現在は保守パーツが豊富なので、一般的なギターならばそれほど困りません。

👆 FENDER ( フェンダー ) / Pure Vintage Stratocaster Tremolo Assembly

例えばFENDERストラトのトレモロが無い場合は、機種毎に適合品が用意されています。交換用ピックアップも数多のメーカーから発売されているので、選り取り見取りです。むしろ欠品はバラす手間がかからないため、好意的に捉えて買う人もいます。(管理人)はじめから部品交換が前提の場合は、安価で購入出来る欠品ジャンクはお宝なのです。

部品欠品ジャンクの困ったちゃん Yamaha Day

ところが全てに保守部品がある訳ではなく、特殊な規格のパーツは代替品がありません。廃盤となっている部品や専用部品は、新品はおろか中古でさえも入手に苦労します。とは言えこういったケースはイレギュラーで、大半は『見た目』だけで判別可能です。

ビグスビー『風』みたいな部品も壊れたら困るパターン
ビグスビー『風』みたいな部品も壊れたら困るパターン

見たことの無い形状のギターは、部品が欠品していた場合敬遠策が吉となります。ですが見た目がなんとなく普通でも、中身が実は普通じゃないギターも多数存在です。メーカーによっては、特定の年代にその傾向が強い機種が集中している場合もあります。

80年代YAMAHAギターは独自性の塊! Yamaha Day

個人的な主観になりますが、1980年代のYAMAHAは特にその傾向が強い印象です。中でもロック式ブリッジを搭載したモデルは、いずれもオリジナリティに満ちています。現在も安価で中古品が流通しているのはRGXやRGZ、YGやSESSIONといった所でしょうか。こういった機種の場合、部品が欠品している時は『ニコイチ』で再生するしかありません。

Yamaha Day RGX421Dボディ
RGX421Dはポケットに仕切りが無いため専用ネック必須

現在の部品では代用出来ない以上、再生には当時の部品を用意する必要があります。つまり特殊部品が欠品の場合は、もう一つ同じ部品を搭載した本体が必要になるのです。2本のジャンク品で1本を再現できたとしても、不要となったボディとネックが余ります。それらを使える状態にするには、言わずもがな更にもう一本のギターが必要です。

RGX620J
RGX620J等ロッキンマジックプロ搭載機はザグリが特殊

……このように特殊な規格に手を出すと、無限に欠品ギターを買う底なし沼にハマります。場合によっては2本用意する事も困難な場合があり、気軽に手を出せない分野なのです。言葉で並べても、実物を見ない事にはあまりピンと来ないかもしれませんね。都合よくSESSIONの欠品君を入手出来たので、本品を参考に部品の独自性を取り上げます。

Yamaha Day に出会ったSESSION II 612P

つい先ほどリサイクルショップで仕入れたのが、こちらの1985年製SESSION II 612Pです。ご覧の通りヘッドのロックナットとブリッジ、ブリッジスタッドが欠品しています。ネックは取り外してロッド確認済みで、汚れや錆は多いですが木部は問題無しです。ボディも傷だらけでバイサウンドも機能しませんが、ピックアップは導通しています。

Yamaha Day に出会ったSESSION II 612P
SESSION II 612P

ブリッジ、ロックナット、スイッチポット、以上3か所が欠品または故障状態です。ジャンクコーナーで税込1,100円ですので、こんなものかなという感じがします。手持ちのストックパーツで何とかなりそうならば、手を出しても良い値段ですね。ただし市販パーツではどうにもならない箇所揃いなので、詳しく見ていきましょう。

特殊なロッキンマジックシリーズ

YAMAHA ロッキンマジック系統ブリッジ

まずはこちら、YAMAHAのブリッジを何種類か並べてみました。この中から本品に適合出来るブリッジは、1種類しかありません。ブリッジは2点支持なので、『フロイド系でいいじゃん』と思う方もいる事でしょう。ところがどっこい、本品のブリッジは『Rockin’Magic II』というモデル専用です。

Yamaha Day に出会ったSESSION II 612P ザグリ

フロイドローズが支持ピッチ74mmに対し、本品は75mmと半端な値で設計されています。使用されていたスタッドも太く、フロイドローズのφ6mmでは細すぎて使用出来ません。おまけにザグリ範囲がかなり広くて深く、ごっそりと木部が無くなっているのです。

Rockin'Magic II

このRockin’Magicシリーズ系統は、金属の塊のようなブリッジ構造をしています。ザグリの隙間を埋めるのに十分な大きさで設計されている、堅牢なブリッジなのです。加えて構造も非常に稼働部品が多く、サドルやスクリュー類まで特殊となっています。

Rockin'Magic II 裏面

経年で痛みやすい箇所も多く、ブリッジの細かい部品が欠品している場合も多いです。よってこの年代のYAMAHAはブリッジの有無に加え、正常稼働するか否かも重要となります。これだけの条件が重なると、ジャンク品再生のハードルがかなり高くなるハズです。困った事に、Rockin’Magicシリーズは同シリーズ内での流用性が乏しくなっています。

Rockin'Magic 流用性

Rockin’Magicは無印にII、Pro、ProII、ProIIIと派生モデルが多数存在です。けれどもシリーズ毎に設計が大きく異なるため、代替は基本不可能だと言えます。IIとProの外観は差別化が顕著で、詳しくない人でも見た目から別物と判断可能です。ProIIからは外観がフロイドローズに近くなるなど、シリーズに統一感がありません。

Rockin'Magic ProII
Rockin’Magic ProII~IIIは90年代のもの

予備知識無しにその系統を把握するのは難しく、調べるだけでも骨が折れると思います。アームが欠品している場合も多く、ここも現行品のアームではしっくり来ないのです。ブリッジの傾斜に合わせて、角度が少し特殊なアームが採用されています。追い打ちをかけるように、部品が特殊なのはこのブリッジ周辺だけでは無いのです。

次の項からは、ネックヘッド側の欠品パーツについて掘り下げていきます。

ロックナット周りも特殊! Yamaha Day

ネックヘッドのパーツでは、ロックナットやテンションバーに注目です。YAMAHAはロック式ブリッジ採用モデルも、大半がシンクロナット付きとなっています。SESSION IIも例に漏れず、ロックナットとは別にカーボンナットが標準搭載です。そのため弦を固定しないならば、ロックナットは欠品していても使用可能となります。

Yamaha Day に出会ったSESSION II 612P ネックヘッド

だけども代替品を用意しようとする場合、ブリッジと同レベルで入手が困難です。中古市場でもナット紛失品は非常に多く、適合ナットを探すのに苦労します。下記ナットはSESSION IIの製造時期に、YAMAHAで使用されたナットの数々です。色だけでなく形状が独特で、取り付けも4か所で固定するタイプが目立ちます。

YAMAHA ロックナット色々

同形状でもナット幅が異なる場合もあるため、完全適合品が中々見つかりません。ストックの中で適合可能だったのは、同じくSESSION IIから外した下記形状だけでした。

SESSION II ロックナット

本体は薄いプレート状で、その下にプラスチックの台座を添えて固定します。ナットキャップの形状も瓦型で、フロイド系統とは似ても似つきませんね。

SESSION II テンションバー

トドメを刺すように、テンションバーは小さなネジで張力を調整する構造です。取付けピッチの間隔も広く、ここも現行では適合品が無いものと思われます。ブリッジにロックナット機構と、個性の強さが少しでも伝わったでしょうか。最後にもう一か所だけ、現行品では代用できない部品を紹介です。

YAMAHA ロックナット 流用性

バイサウンド用スイッチポットも抵抗値が特殊

80年代のYAMAHAは、コイルタップを『バイサウンド』としてウリにしていました。プッシュ-プッシュ仕様のスイッチポットにて、タップ配線の切り替えを行います。スイッチポット自体は現在も入手可能ですが、問題となるのはその値です。この時代のYAMAHAバイサウンドは、原則的に抵抗値が300kΩとなっています。

バイサウンド用スイッチポット

現在JIS規格のEステップで定められているため、300kΩはあまり製造されていません。250kΩでも500kΩでも良さそうな所ですが、微妙なニュアンスが再現不可能です。バイサウンドの肝は、300kΩという値が占めるウェートが非常に強いと思います。500kΩよりも暖かく、250kΩよりもタイトな音がバイサウンドの魅力なのです。

バイサウンド

ナットやブリッジと同じく、故障していた場合はニコイチが必須となります。分解して修理する事も出来ますが、少し難易度が高いのでお勧めできません。というよりも、YAMAHAの欠品ギター自体お勧めしにくいというのが本音です。

YAMAHAの音を楽しむなら完動品が一番感動!

SESSION IIを例に、YAMAHA欠品ジャンクギターの困り所を紹介しました。直球の言葉でまとめるならば、下記の通りとなっています。

ブリッジ欠品の80年代YAMAHAギターには手を出さない

ロックナット欠品の80年代YAMAHAギターには手を出さない

バイサウンドに不良のある80年代YAMAHAギターには手を出さない

経験しないと分からないかもしれませんが、本当に部品欠品ギターはお勧め出来ません。当時の音や構造を楽しむならば、絶対に完全動作品に手を出すべきだと思います。2021年現在でも、当時のYAMAHAのギターはわくわくするような仕掛けが一杯です。音でも構造でも独自性でも、日本の強みをこれでもかという程主張してきます。

Rockin'Magic II 後方

完動品でもブリッジは扱いが難しく、オクターブを合わせるだけでも一苦労です。取り外して分解清掃しようものならば、部品数の多さからかなりの時間を浪費します。しかれどもその部品の一つ一つから、当時の開発者達の熱量が伝わってくるのです。弦を切らず固定したり、アームアップ&ダウン可能な構造、オクターブスプリング……。

Yamaha Day に出会ったSESSION II 612P 部品搭載後

画期的だったアイディアの数々は、全てが揃っていなければ感じ取る事が出来ません。YAMAHAのギターは一見普通に見えて、普通とは縁遠い夢の仕掛けが満載となっています。しとどに溢れるギター熱は、まさに当時のギターシーンを代弁しているかのようです。Yamaha Dayは過去に思いを馳せつつ、YAMAHAのギターはぜひ完動品をお求め下さいませ。

🏃💨もうあきらめて新品のYAMAHAギターを探す💖

👑「他の楽器いじり関連記事も読むゾ💖」