【新商品】Seymour Duncan Pearly Gates for Tele はギターが59年製PAFの音になるの?【ダンカン解析】
👆 Seymour Duncan Pearly Gates for Tele の音質を解析&レビュー!
目次
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Seymour Duncan Pearly Gates for Tele がCustom Shopよりレギュラーライン入り!
本記事ではSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、2023年新規モデル Pearly Gates for Tele の音質を解析です。Pearly Gates for Tele は Pearly Gates SH-PG1 (ハムバッカー) を、テレキャスター用にコンバートしたモデルとなります。
構造としてはシングルサイズハムバッカーに分類され、3点支持タイプのブリッジマウント専用となるピックアップです。78 Model等と同じく元はCustom Shop謹製のモデルで、かつては『Tele PG』や『Pearly Gates Jr』等の名称も使用されています。
本年よりお手頃価格に改定($160.00→$129.00)された上で、めでたくレギュラーライン入りとなりました!
Pearly Gates for Teleでテレキャスから1959年製PAFの音が飛び出る!?
Pearly Gatesという名称は、ZZ TOPのビリー・ギボンズ氏所持の1959年製レス・ポールの愛称として有名です。同じ名を冠するSH-PG1は氏のレス・ポールに搭載されたPAFを元に、細部まで完全再現されたアルニコ2ハムバッカーとなります。
1959年製レス・ポールに搭載されたPAFは他の年式のPAFよりも高出力かつ、ハーモニクスが強烈という特徴がありました。Pearly Gates for Teleはその甘くも荒々しいサウンドを、テレキャスターでも再生可能とすべく開発されたモデルです。
シングルサイズのパワー不足を補うコイルアレンジ!
本モデルはシングルサイズにコンバートする上で低下する出力を、マグネットの変更とコイルターン数の向上で補っております。SH-PG1とは異なりマグネットにはアルニコ5が使用されており、直流抵抗値もブリッジ用SH-PG1bの2倍以上となる18.10kΩです。
ポールピースはSJBJ-1 JB Jr. Strat等と同じく12本搭載で、各弦毎に出力を微調整可能なオールアジャスト仕様となっています。
これらのコイルアレンジによりSH-PG1の音色を再現しつつ、テレキャスター特有のダイナミクスやトゥワングも健在です。リードにもバッキングにも使えるパワフルな出音と、粒立ちの良さを併せ持つ守備範囲の広いピックアップに仕上がっています。
ST59-1b Little ’59 Teleとの違い
ダンカンでは他のレギュラーラインモデルに、ST59-1b Little ’59 Teleという同じく59年製PAF風の音を目指したモデルが存在です。違いはPearly Gates for TeleがSH-PG1を元にしているのに対し、ST59-1b Little ’59 TeleはSH-1に寄せたサウンドとなります。
SH-1は’59 modelという名ではあるものの、実際には59年製PAFを現代の音楽シーンに合わせて改良を加えたリファインモデルです。モダンな味付けが施されたPAFサウンドにつき、当時物の完全再現とは若干色合いが異なります。
ST59-1b Little ’59 Teleはマグネットがセラミックで出力もPearly Gates for Teleより高めだよ!
今回は各Pearly Gatesの『倍音』に焦点を当てて、Pearly Gates for TeleとSH-PG1のサウンドを比較検証です。SH-PG1はブリッジ用のSH-PG1bを使い、クリーンとオーバードライブにおける倍音特性の違いを解析していきます。
比較対象となるPearly Gates SH-PG1のレビューはコチラ!
公表データの確認:Seymour Duncan Pearly Gates for Tele
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Pearly Gates for Tele ( Versatile Tele Pickup )
型番:PEARLY GATES TE-b (Bridge)
マグネット:アルニコ5 ( Alnico V Bar )
直流抵抗値:18.10kΩ
アウトプットタイプ:Medium
出 力:3.6
トーンチャート:低音域 6.3 / 中音域 7.0 / 高音域 4.3
ワイヤー:4c Shielded
ちなみに、管理人が10年前に入手した『Tele PG』は抵抗値が17.80kΩでした
Custom Shop時代とは微妙に設計が異なると思われるので中古で入手する際は気を付けてね(もう手元に無いので比較不可)
Pearly Gates for Tele クリーン倍音特性 (E2/82.407Hz)
まずはクリーンセッティングのアンプを通して、Pearly Gates for TeleとSH-PG1のE2倍音(6弦開放)を解析します。
基音の山はすそ幅が広く(横軸)出力も高く(縦軸)計測されており、低次倍音も基音に迫る出力の高さです。テレキャスター固有の硬質さに加え、ハムバッカーの太さも感じるアタック感となっています。
中~中高音にかけて倍音の出力が低下するという点も、多くのテレキャスターピックアップでみられる傾向です。ところが一般的なテレキャスターでは、直後の中高音で盛り返しに鋭いピークが発生しやすいという特徴があります(ブリッジ構造由来)。
Pearly Gates for Teleは中高音に鋭いピークを持たず、そのまま右肩下がりに高次倍音が収束していく模様です。これはフルサイズハムバッカーに近い倍音特性ですが、Pearly Gates for Teleは4kHz付近を境に高次倍音が絞られています。
ハムバッカーよりも極端な特性につき高音の爽快感はそれほど強くなく、丸みを帯びた暖かい音像だと言えるでしょう。
SH-PG1 クリーン倍音特性 (E2/82.407Hz)
SH-PG1も基音のすそ幅が広くアタックが強めのハムバッカーですが、同時に倍音も前に出やすくシズル感に満ちた瑞々しい響きです。加えて一般的なテレキャスター程ではないものの、1.5k~2.5kHzにかけて高めの値を記録するため濃密な中高音を奏でます。
高次倍音はPearly Gates for Teleより広い帯域で計測されているため、高音が中高音を持ち上げるように作用している印象です。両モデルを聞き比べるとマグネットの違いや抵抗値の差が如実に反映されており、高音の音抜けはSH-PG1に軍配が上がります。
Pearly Gates for Teleのクリーンは重心が低く音がふくよか!
SH-PG1よりもSH-4 JB Modelの高音が訛るようなクリーンの雰囲気に近く扱いが難しいかもね
E2倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音82.407Hz 偶数次倍音:第2倍音(164.814Hz)、第4倍音(329.628z)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(247.221Hz)、第5倍音(412.035Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
Pearly Gates for Tele オーバードライブ倍音特性 (D3/146.832Hz)
続いてアンプを深く歪ませた、オーバードライブ時のD3倍音(4弦開放)を解析です。
歪ませると一気にPearly Gates感が高まり、ハードロックもこなせるパワーとメリハリの利いたドライブが飛び出します。クリーンの時よりも中~中高音の倍音が押し出される感覚が強烈で、バチバチと火花の散るようなハーモニクスです。
トーンレンジもクリーンの時より圧倒的に広く、SH-PG1と遜色の無い中音の密度とスピード感を内包しています。テレキャスターとは思えぬ低音の安定感に、テレキャスター本来の鋭さも加わりアタック時の破壊力は抜群です。
中高音の倍音は突発的に出力の高い箇所が発生するため、鼓膜に絡みつくようなバイト感も得られます。『テレキャスターにSH-PG1を乗せて歪ませた音』というイメージに対し、満点に近いサウンドを具現化したと言えるでしょう。
ただし低次倍音は幾分出力が均等気味につき、コンプレッションに関してはSH-PG1よりも強く感じるかもしれません。
SH-PG1 オーバードライブ倍音特性 (D3/146.832Hz)
SH-PG1は抵抗値の低さとアルニコ2の恩恵から、歪ませてもクリアさを保つことが可能な倍音特性です。全帯域でPearly Gates for Teleよりも非整数倍音が控えめで、特に各倍音と倍音の谷間の深さが音の分離の良さを物語っています。
中高音の倍音は更に密度を増して滑らかさがアップしていますが、基音のすそ幅も依然として広く豪快なアタックは据え置きです。荒くも甘やかと評されるPearly Gatesの歪みを体現しており、テレキャスターに負けないレンジを誇る高次倍音も際立っています。
D3倍音特性波形の周波数目安
灰色の線が基音(D3)の146.832Hz 偶数次倍音:第2倍音(293.664Hz)、第4倍音(587.328Hz)…… 奇数次倍音:第3倍音(440.496Hz)、第5倍音(734.16Hz)……
Pearly Gates for Tele サウンド考察
これらの結果からPearly Gates for Teleはテレキャスで59年製PAF搭載レスポールの音を出そうとしている訳ではないと分かるね!
『SH-PG1を乗せたテレキャスターの音をブリッジ用シングルコイルサイズで再現した音』につき、テレとSH-PG1の特徴を併せ持つよ!
『テレキャスターと59年製PAF搭載レスポールの中間的特性』とも考えられるので導入の際は良く吟味しよう!
Seymour Duncan Pearly Gates for Tele まとめ
Custom Shop時代よりも価格を抑えつつ、テレキャスターにPearly Gatesのウォームなトーンを融合出来るピックアップです。テレキャスターの鋭いアタックとスピード感を損なわず、甘やかな中高音の倍音とクリスピーな歪みを手にすることが出来ます。
クリーンの扱いの難しさは他のダンカン製高抵抗値ハムバッカーと同等であるものの、力強く粒立ちの良い音は格別の存在感です。1959年製PAFのエキスを注入したテレキャスターは、ミッドレンジの唸りと濃密なハーモニクスを併せ持つドライブに豹変します!
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