【Yamaha Day】1970-80年代ヤマハバイサウンド対応!入手困難な300kΩスイッチポットを発見!!

👆 1970~80年代ヤマハバイサウンドシステム対応300kΩスイッチポットの特集だよ!
目次
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前回のYamaha Day! (2025年7月1日)
Yamaha Dayはヤマハバイサウンドシステム用300kΩスイッチポットに熱視線!
毎年10月12日は ヤマハ株式会社 (以下ヤマハ) の設立記念日として、年に2回ある『Yamaha Day』とされています。もう1つのYamaha Dayはバイクのヤマハ、ヤマハ発動機株式会社の創立日である7月1日です。
異なる分野で世界を牽引する『ふたつのヤマハ』が、互いに織り成すブランドについて考えることを目的としています。ギタいじでは各Yamaha Dayに合わせ、ヤマハギターについて詳しく掘り下げる特集を公開してきました。
今回のYamaha Dayは今年7月1日に公開したRockin’Magic II特集に続き、1980年代のヤマハギターを語る上で重要なパーツをご紹介です。1970~80年代のヤマハギターは独自規格のパーツを多数採用しており、特殊な設計のロック式ブリッジはその最たる例となります。
そしてロック式ブリッジと同じくらい他社ギターに見られなかった設計が、バイサウンドシステムと呼ばれるコイルスプリット機構です。ヤマハではプッシュ-プッシュ仕様のスイッチポットに、スイッチポット用としては非常に希少な300kΩという抵抗値を採用していました。
ギターやベースに使われるポットの抵抗値について
一般にパッシブピックアップ回路のボリュームやトーンに使われるポットの抵抗値は、1MΩ、500kΩ、300kΩ、250kΩが中心となります。多くのギターやベースではハムバッカー回路に500kΩ、シングルコイル回路に250kΩを用いるのが主流です。
GibsonのP90搭載モデルでは300kΩ、Fenderの一部のテレキャスターやジャズマスターでは1MΩが使用される場合があります。アクティブタイプは低インピーダンスとなるため、EMGやSeymour Duncanでは25kΩ、ESPのアクティブプリアンプでは50kΩが主流です。
ヴィンテージモデルやビザールギターでは100kΩなど、上記以外の抵抗値のポットが使用される場合もありましたが、稀なケースとなります。このうち300kΩは電子部品業界における数値としては一般的ではなく、実質的にギター専用として特注されている場合が多いです。
参考としてGreco GZ-CTS M300AおよびGZ-CTS M300Bは型番や刻印にCTSの名が入る通り、CTSに特注してポットを完全に絞った際の残留抵抗を0に寄せたオリジナル仕様で製造されています。
※現行品のCTS製ポットは残留抵抗が大きく、完全にボリュームをミュートできないモデルが多い
抵抗値の違いがもたらす音の変化について
過去にギタいじでも特集を組みましたが、パッシブピックアップ回路に使用されるポットの抵抗値は音質に与える影響が大きいです。ポットの抵抗値は数値が高い方がハイが出て明るくクリアで、低いほど甘くあたたかい音に変化する……という話は聞いたことがあると思います。
これは周波数特性のみに焦点を当てた場合は正解ですが、実際には出力に与える影響も大きいため微弱ながら音量も変化するのです。管理人がP-90タイプを使用した実験では、1MΩ-500kΩ間は出力の変化がほぼ無く、500kΩ-250kΩ間は出力が微減、更に150kΩ以下の値になると出力低下が著しくなりました。
ハムバッカーとピュアシングルコイルの中間的特性を持つP-90に300kΩという値が使用されてきたのは、理にかなった設計だと言えるでしょう。SSH配列等ではハムバッカーに合わせて500kΩを使うか、シングルコイルに合わせて250kΩを使うか、各メーカー間の解釈が異なります。
そういった複合ピックアップ配列でも300kΩが重宝される場合があり、ハムバッカーにもシングルコイルにも使用できる値なのです。電子回路としては滅多に使用されない値でありながら、ギターのハイインピーダンス回路の中庸にマッチした奇跡的な値とみることができます。
ヤマハバイサウンドシステムとは?
ここからが本題となりますが、ヤマハバイサウンドシステムとはヤマハ独自となるハムバッカーのコイルスプリット機構です。コイルスプリットとはデュアルコイル構造 (コイルが2個ある) のハムバッカーにて、片側のコイルを無効にすることを指します。

片側のコイルを無効にすることで疑似的なシングルコイル的サウンドが得られるため、サウンドメイクのバリエーションが増えるのです。ヤマハバイサウンドシステムはトーンコントロールの上下によってハムバッカーとシングルコイルを切り替えるタイプと、5Pセレクタースイッチで切り替えるタイプが存在します。

前者の歴史は非常に古く、1976年に発表されたSG-1000とSG-700に『バイサウンドシステム+ダイレクトサーキット』として搭載されました。1970年代としては珍しいプッシュ-プッシュ方式のスイッチポットを採用し、瞬時にハムバッカーとシングルコイルの音を切り替えることができます。
後者はPacifica 912JやPacifica-CUSTOMなどのごく少数のモデルに採用されており、5Pセレクターの2ポジションや4ポジションでブリッジハムバッカーを自動的にコイルスプリットさせる回路を採用です。ブリッジピックアップ単独のコイルスプリットを選択することは出来ず、ミックスポジション限定でバイサウンドシステムが機能します。

ヤマハファンの間で『バイサウンド』として話題に挙がるのは、主に前者のトーンコントロールの上下で切り替えるタイプです。以後本記事でバイサウンドと表現するものは、全てトーンコントロールの上下で切り替えるタイプを指すものといたします。
ヤマハバイサウンドシステムの歴史
1976年のSG各モデルにバイサウンドが搭載されてから、SGに留まらず様々なモデルにバイサウンドが採用されるようになりました。1980年代中盤に入るとバイサウンドが最盛期を迎え、普及帯モデルに搭載されるケースが増えてきたのです。

ギタいじ管理人が所有するSTH-500Rは、印象的なルックスのスピネックスハムバッカーにバイサウンドが使用されています。当時のカタログでは『ジキルとハイド的に音作りが楽しめる』と紹介されるなど、高出力ピックアップとの組み合わせが好評を博した時期でもありました。
ヤマハのエレキギターと言えばバイサウンド、そういったイメージを決定付けたのも1980年代です。ポットを軽く押すだけでコイルスプリット可能な手軽さは他に類を見ず、真新しいサウンドの中にも300kΩという抵抗値が織りなすヴィンテージな味付けはヤマハの代名詞となっていきます。

1985年以降はRGXやYGX、SESSION&SESSION IIシリーズ、SFX、GX、HR、RGZ、MG、IMAGEシリーズ、YSG、100周年記念のYEG-100Aのパッシブモードに至るまで、枚挙にいとまがないほどのモデルにバイサウンドが搭載されました。1990年代以降もバイサウンドの勢いは止まらず、SonareシリーズやYGなどにトーンコントロール式バイサウンドが、Pacifica 912Jでは5Pセレクタータイプのバイサウンドを初採用です。
ヤマハバイサウンドシステムの現在地
5Pセレクタータイプバイサウンドの登場と前後しながら、バイサウンドに使用されているポットも変化していくようになりました。1970~80年代まではALPSの日本製300kΩのプッシュ-プッシュ方式が主力でしたが、1990年代になるとCTS製や生産国の分からない300kΩのスイッチポットが使用されるようになります。
スイッチの切り替えもプッシュ-プッシュからプッシュ-プルへ、抵抗値も300kΩから250kΩや500kΩへと変化です。現行モデルではSA2200などの一部のモデルでのみバイサウンドという名称が使用され、他のモデルではコイルスプリットと表記されるようになりました。
代わりにREVSTARではドライスイッチやフォーカススイッチなど、コイルスプリットを用いない新回路が開発されています。これらの機能はバイサウンドでは実現が難しかった音量差の問題を解消しつつ、ノイズを抑えながら積極的に音色を変化できるのが特徴です。
ノイズレスに音色変化を与える新回路だけでなく、アコースティック・デザインによる理想的な設計プロセス、YW10Tを用いたギター信号のワイヤレス化など、時代に求められる『良い音の定義』を満たせる条件はこの50年の間に大きく変化しました。
配信でのリアルタイム演奏、ボーカロイド技術の普及に伴う新たなギターサウンドの需要、手軽にレコーディングが可能となった宅録環境、小規模から大規模までステージを問わずに使える万能性と利便性、より精確なイントネーションの実現など、音楽をとりまく『自己表現の変化』と共に、ヤマハギターの設計理念は日々進化を続けています。
国産エレキギターの新時代を切り開き、長きにわたりヤマハファンのスピリットを支え続けたバイサウンド。
アナログとデジタル、リアルとバーチャルの境目が消えつつある音楽シーンの未来を見据えた今、バイサウンドはその役目を終えつつあるのかもしれません。
ヤマハバイサウンドの寿命がもう限界過ぎる件
ここで問題となってくるのが、依然として1970~80年代のヤマハギターを愛用しているユーザーのメンテナンス性です。ギターは長年弾き続けることで愛着が沸くだけでなく、音響特性が向上して『鳴る』ように変化します。ここでの『鳴る』はヤマハが定義する、多くの人が『良い』と感じる傾向にある物理的特性を満たした音とお考えください。
ギタいじでも2025年4月投稿の記事にて、仕上がりの悪いギターも例外なく音響特性が向上していくことを確認済みです。しかしながらギターに使用されている部品類には須らく、耐久性能や動作寿命というものが想定されています。
エレキギターのコントロールに使用されているポットは、現行品では回転回数の動作寿命がおよそ15,000cycles 前後で設計されているものが多いです。スイッチポットの切り替えについては10,000cycles前後と、簡単に言えば『壊れて機能しなくなるまでの目安』が存在します。

1970~80年代に製造されたバイサウンド用スイッチポットの耐久性能は公表されておりませんが、構造的に現行品以上の耐久性があるとは考えにくいです。多めに見積もってほぼ同等の耐久性能を想定した場合でも、大半のモデルではとうに寿命の限界に達していることが推測されます。
ですが抵抗値300kΩのポットはスイッチ機能が無い標準タイプでも生産が限定的で、スイッチ機能付きに関しては新品の国内流通がゼロです。故に往年のバイサウンド愛好家は中古市場を隈なく探索し、部品取り用に状態の良いギターを探す行為に時間を費やすこととなります。
あるいは300kΩのスイッチポットを諦め、音質の変化を受け入れつつ500kΩ、あるいは250kΩのスイッチポットを交換することになるのです。実際に抵抗値を変更したバイサウンドユーザーは、思いのほか音質変化が大きいことを実感した経験があるかもしれません。
ヤマハギターに限らず特殊なパーツを使用している楽器全般は総じて、メーカー保証期間が過ぎた後に保守部品の入手に苦労します。そのため1980年代以前に生産された中古のヤマハギターは例え安価でも部品が欠品している場合、不用意に手を出すのはおススメできないことを2021年7月のYamaha Day特集にてお伝えした次第です。
ヤマハバイサウンド対応300kΩスイッチポットが本当に生産されていないのか聞いてみた
ギタいじ管理人所有のバイサウンドの寿命蝋が尽きかけたその時、ふと脳裏にGRECO GZ-CTS M300AおよびGZ-CTS M300Bのことが浮かんできました。

「300kΩスイッチポット、本当に生産されていないのかCTSに直接聞けば良いのでは?」

という訳でギタいじネットワークのコネクションをフル活用してCTSと接触を試みた所、300kΩスイッチポットについて以外な事実が判明します。
端的にまとめると……
・CTSではそもそも300kΩスイッチポットが廃盤になっておらず、カタログには25kΩ、50kΩ、250kΩ、300kΩ、500kΩのモデルが掲載されている
・ただし常時生産されている訳ではなく、生産要望があった際にまとめて製造することが多い
・直近で製造されたのは極めて限定的な仕様の300kΩスイッチポットだが、コンタクトを取った時点で海外の販売店に少量在庫が残っていた
なんということでしょうか、勝手に時代から消滅したと思い込んでいた300kΩスイッチポットは2025年も健在だったのです。需要が極端に少ないという点に関しては間違っておらず、電子部品取扱い店でも300kΩのスイッチポットは常備品として扱われておりません。

『極めて限定的な仕様』という言葉が気になったのも束の間、既に管理人の脳内は新品の300kΩスイッチポットが入手できる嬉しさで埋め尽くされていました。もうバイサウンド用スイッチポットを求めて必要以上にジャンクギターを購入したり、バイサウンドが壊れることを恐れてトーンに触らないでギターを弾く配慮も不要となります。
果たして現在入手できるバイサウンド対応300kΩスイッチポットは如何ほどのものなのか、大きな期待を胸に取り寄せてみました。
現代に蘇る『新品』のヤマハバイサウンド対応300kΩスイッチポット!
オーダーしてからおよそ5日後、アメリカからギタいじ管理人宅へ300kΩスイッチポットが到着です。

長年探し求めた夢でもある、新品未使用の300kΩスイッチポット……

40年以上の年月を経て、令和の世にヤマハバイサウンドシステムが蘇ります!


うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!


マジでええええええええええええええええええええええええ!!!!


CTS製の300kΩスイッチポットだああああああああああああああああああああ!!!!!



ていうか軸がクソ長ええええええええええええええええええええ!!!!!!
それではバイサウンド愛好家の皆様、お待たせいたしました。こちらが我がドリームの化身、何十年も憧れ続けた300kΩスイッチポットです。

この際300kΩのスイッチポットであれば何でも良いという条件の元、滅茶苦茶に軸の長いスイッチポットを購入しました。先述の『極めて限定的な仕様』のひとつがこの寸法で、軸の根本から先端まで1インチで設計されています。

1インチはミリ換算で約25.4mmにつき、一般的な19.1mm軸のポットよりも6mm以上長い寸法なのです。これほど軸が長いと装着時にボディのザグリ等に干渉しやすく、無加工で搭載できるヤマハギターは限られてきます。

またヤマハ純正バイサウンドの抵抗変化特性 (カーブ特性) がAであるのに対し、在庫のあったスイッチポットの抵抗変化特性はBのみです。人間の聴覚はAカーブの方が自然な可変に聞こえるので、トーンを操作した際のメモリ位置に対する音の変化が純正とは異なってきます。

CTS製ポット恒例の残留抵抗も大きめの設計につき、仕様上完全にポットを絞った状態でも最大+2Ωの残留抵抗が発生です。トーンポットを完全に絞った状態 (メモリ0) の音についても、純正スイッチポットより幾分軽めのニュアンスに変化してしまいます。

ミリ規格とインチ規格による軸サイズの違いもあり、ミリ規格の純正がφ8mm、インチ規格のCTS製が3/8インチ (≒9.53mm) です。ボディトップやピックガードなど、ポットのマウント方式に対応したポット装着用穴サイズの拡張が必須となります。

スイッチの切り替えもプッシュ-プルしか選択肢がなく、純正のようにポットを軽く押してバイサウンドを切り替えることができません。こういった極めて限定的な仕様は承知の上、SESSION II等のピックガードマウントギターであれば最小限の加工で搭載できることを予め計算済みです。

都合よく管理人はSESSION II 612Pを所持しているので、他の抵抗値が異なるCTS製スイッチポットも含め交換前後の音質を調べていきましょう。
取付け
管理人の所有するSESSION II 612Pでは、バイサウンド用のトーンポットにALPS製の300kΩスイッチポットが使用されています。CTS製の1インチ軸ポットをそのまま装着しようとしても、ピックガードの表側に飛び出す軸が長過ぎて使い物にならないです。

まずは3/8インチのナットを複数枚用意し、純正ポットの軸長と近い長さになるように調整します。完全に一致する長さにはできないものの、CTS製ポットに付属するナットを4枚重ねると概ね一致する長さに調整可能です。

スイッチ (DPDT) 端子の配列や動作は純正もCTS製も共通につき、配線は全て純正と同じように完コピするだけでOKとなります。念のため配線作業へ移る前に、長さを調整したスイッチポットを装着した状態でピックガードが完全に密閉できるかを確認しましょう。

ザグリが浅いモデルの場合、CTSの刻印が入っている箇所がザグリの底に干渉してピックガードが閉まらなくなる可能性があるためです。ピックガードが浮くことなく固定できることを確認した後に、ピックアップやアース線、コンデンサ等をはんだ付けします。

管理人は何度もバイサウンド用スイッチポットの交換を行っているため配線を暗記していますが、初見の場合はバラす前の状態をメモすることを推奨です。加えて色々な角度から配線をカメラで撮影しておき、写真で確認しながら配線作業を行うとミスが少なくなります。
操作感
CTS製300kΩスイッチポットに交換を終えて操作してみると、想像していたよりもトルクが良い塩梅です。仕様書ではCTSのトルクが20~300 (gf-cm) となっており、mNm換算では約29.4mNm、ALPS製の最大トルクは25mNmとなっています。

交換前より気持ち重くなる程度の実感はありますが、メーカーも年式も異なる点を考えれば十分許容範囲内です。スイッチのプル動作は軽やかで、小指に引っ掛けるだけでも簡単に切り替えることができます。

耐久性能は回転回数が15,000cycles、スイッチ切り替え回数が10,000cyclesと、概ね業界の平均値に近い設計です。管理人は同一スイッチポットを10個取り寄せているため、これからの余生でスイッチポットの消耗を気にする心配は一切ありません。

思う存分ポットを回し、頻繁にスイッチを切り替え、故障した場合でも残機が9あるという安心感の元、全力でバイサウンドライフを謳歌することができます。
サウンド
CTS製300kΩスイッチポット交換後のサウンドは、ヘッドフォン等で聴き比べると中高~高音が少し持ち上がる感じでしょうか。抵抗値を実測の上で純正に最も近い数値の個体を使用しましたが、やはり完全に一致するサウンドではありません。

純正は製造後40年近い年月が経過していることもあり、経年劣化による音質の変化も加味されているはずです。それでも同CTS製の250kΩより高音が明るく、500kΩのスイッチポットよりは落ち着いた高音が味わえます。

250kΩと500kΩの中間に位置するサウンドとして、300kΩの抵抗値に期待するサウンドを得ることができたと言えるでしょう。何よりもバイサウンド独自のニュアンスを大きく崩さず、耐久性能を完全回復できる体験はかつてない程の高揚感です。
周波数特性
1970~80年代のバイサウンドが蘇る興奮に酔いしれつつ、最後に交換前後の周波数特性の変化を抵抗値毎に確認します。使用したギターは2025年7月のYamaha Dayに改造した、SESSION II 612PのRockin’Magic II 2025年型MT-07風カスタムです。

計測時の機材類も全てYamaha Dayの時と同じでギター弦はYAMAHA GSE09、ピックはYAMAHA GP-502 H (ハード/約1.0mm) 、ケーブルは『ヤマハか何かのコンテスト (ご本人談) 』で優勝したことのある大柴広己さんのシグネチャーケーブルを使用しています。ギターケーブル1本でDIに接続して中~高音が中心となるフレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出です。

結論から申し上げますが、CTS250kΩ < ALPS 300kΩ < CTS 300kΩ < CTS 500kΩの順に高音が鮮やかに変化する周波数特性となりました。
CTS 250kΩ Aカーブ 軸長3/4インチ (実測249.7kΩ)

YAMAHA純正 ALPS 300kΩ Aカーブ (実測301.5kΩ)

CTS 300kΩ Bカーブ 軸長1インチ (実測295.0kΩ)

CTS 500kΩ Aカーブ 軸長3/4インチ (実測510.2kΩ)

CTS 500kΩ→CTS 300kΩ→ALPS 300kΩ→CTS250kΩ (gif)

CTS 500kΩとCTS 250kΩでは出力に最大0.5dBほどの開きがあり、700~11kHzにかけて満遍なく500kΩの方が優位となります。CTS 300kΩとCTS 250kΩでは出力差はほとんど無いものの、1k~10kHzにかけて300kΩの方が若干上手です。

YAMAHA純正 ALPS 300kΩとCTS 300kΩは100~2kHz付近まではほぼ共通の値を示し、2kHz以降はCTSの方が僅かに高い値を記録しました。これらの測定結果から抵抗値300kΩのポットは、250kΩでも500kΩでも再現が難しい独自の周波数レンジを備えていることが分かります。

もしもバイサウンド用スイッチポットの抵抗値を変更する場合、300kΩに近いニュアンスが欲しいならば250kΩを、高音を煌びやかにしたいのであれば500kΩを選ぶと良いでしょう。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤枠線:100Hz,200Hz
橙枠線:400Hz,800Hz
桃枠線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
計測に使用した機材
ギター:YAMAHA / SESSION II 612P (Rockin' Magic II 2025年型MT-07風カスタム)
ギター弦:YAMAHA / GSE09
ピックアップ:YAMAHA / YGH-F1CO オープンハムバッキング セラミック (純正ブリッジPU / バイサウンドOFF)
ピック:YAMAHA / GP-502 H (ハード/約1.0mm)
シールド:Furious Note Guitar / MOJA CABLE (S/S)
マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1
ヤマハバイサウンドシステム対応300kΩスイッチポット まとめ
1970~80年代のヤマハバイサウンドシステムでは、300kΩという特殊性が際立つ抵抗値のスイッチポットが使用されていました。昨今300kΩのポットは生産数が減少し続けている点からも、バイサウンドシステムは当時のヤマハの独自性を強く感じることができる要素のひとつです。

長年バイサウンドの修理には中古の部品取り以外に選択肢はありませんでしたが、ようやくバイサウンドに対応できる300kΩスイッチポットに巡り合えたことを嬉しく思います。この喜びは決して多くのヤマハファンと共有できるものではなく、時代の最先端を翔ける技術とは真逆のベクトルを向いた行動かもしれません。
ですが未来から過去を見つめるこの行為に、管理人は確かな意味を掴むことができました。
若かりし日にバイサウンドを愛し、ヤマハギターに夢と未来を見つけた皆さん──
今も昔と変わらず、音楽とギターを楽しんでいますか?
時代が流れ未来が過去になった現在でも、人の心を震わせる特別な瞬間は少しずつ色褪せながら記憶の奥に息づき続けるものです。国産エレキギターの最盛期に日本の技術と美学を注ぎ込んだ当時のヤマハギターは、21世紀が四半世紀を迎えた今もなお燃えるような情熱が伝わってきます。
他社とは一線を画する独自性に満ちた構造、レゾナンスの統一を重視した設計理念、それらはスイッチポットのような小さな部品でさえも開発者達の知恵と魂が宿る感動の証です。バイサウンドを蘇らせるために右往左往し続けたこの数年間は、管理人にとっても過去の情熱と再び向き合う旅路のようでした。
ヤマハギターを支え続けた先駆者達の勇気と、これから訪れる音楽の未来に最大の愛を込めて。
皆さまも素敵なYamaha Day、Yamaha Every Dayをお過ごしください!
YAMAHA関連リンク紹介
ヤマハ株式会社 ギター・ベース・アンプ 製品情報
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/guitars_basses/index.html
Yamaha Guitar Japan 公式𝕏アカウント
ヤマハアコースティックギタージャパン 公式𝕏アカウント
ヤマハ発動機株式会社 企業サイト
https://global.yamaha-motor.com/jp/
ヤマハ発動機 公式𝕏アカウント
ヤマハ動画 – 【ゆっくり解説】ヤマハのコピペは本当!?衝撃の歴史を解説【ヤマハ発動機】
https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/event/japan-mobilityshow-2023/yukkuridouga/
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