【定番】KIKUTANI (キクタニ) ギターペグレビュー:GM-ST3は交換補修に評判上々の安定品質
👆 KIKUTANI GM-ST3 交換補修用の定番ギターペグをレビュー!
目次
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KIKUTANI GM-ST3 高精度高品質と評判の定番ギターペグ!
今回は補修用ギターペグの定番商品、KIKUTANI (キクタニ / キクタニミュージック) の GM-ST3 ロトマチックタイプペグ をレビューです。ギターペグはギターパーツの中では最も稼働率が高く、使用や経年に伴う消耗や劣化が避けられません。
低価格帯のギターでは初期搭載ペグの精度が低いことも多いため、何かと交換機会の多いパーツとなります。ジャンクギターや中古ギターでは消耗限界を超えている場合もあり、早急な補修や交換が必要となることも多々あるハズです。
普及率の高いGOTOH SG381シリーズは精度と品質の高さから人気ですが、どうしても価格が割高となってしまいます。元々SG381を搭載していたギターであればまだしも、安ギターやジャンクギターへ使うには躊躇してしまうかもしれません。
ペグシリーズ『KIKUTANI ギター・糸巻』について

もう少し手頃で安定した品質のペグが欲しい!!
そういった安ギター使いやジャンク愛好家のニーズに応えるのが、本記事で取り上げる『KIKUTANI ギター・糸巻』です。KIKUTANIでは補修用途に合わせて、多彩な種類のギターペグを手頃な価格設定でラインナップしています。
GM-ST3
GM-ST3はエレキギターで最も多用されているL6配列のGOTOH SG381互換品となり、ネジ穴が45度の位置に設けられているタイプです。L6配列45度のロトマチックタイプペグは応用幅が広く、1セット手元に常備しておくといざという時に役立ちます。
GM-WC1
GM-WC1はアコギやLP系ヘッドで重宝する3×3ダブルサイドヘッド用で、GOTOH SG301やGrover 102Vタイプに近い設計です。
GM-FP
GM-FPは近年減少傾向にありますが、2000年代までは安ギターの主力だったカバードタイプペグとなります。販売は3×3ダブルサイドヘッド用のみとなるものの、2セット用意することでL6用とR6用の6連ヘッドに流用可能です。
その他にもベース用ペグやガットギター用ペグなど、全12種にも及ぶペグを良心的価格設定で販売されています。製造はKIKUTANIと信頼関係の厚い台湾の工場で行われており、安さとワンランク上の品質の高さを両立している点も評判です。
KIKUTANI GM-ST3 の利用に向く用途
管理人はこれまでKIKUTANIのペグを数十セット以上利用してきましたが、GM-ST3は平均的な性能と精度を備えていると感じます。決してGOTOH製やGrover製を凌駕する突出した要素はないものの、普段使いであれば販売価格に対して十分過ぎるほどの品質です。
競合商品としてはギタいじでも取り上げたARIA AT-235Gや、Wilkinson WJN07 E-Z-LOKなどが挙げられます。後述しますがKIKUTANI GM-ST3はこれらのペグよりも『軽量』につき、ハードウェア構成によっては非常に重宝するのです。
そのためKIKUTANI GM-ST3はグレードアップ用途よりも、下記のような用途におススメとなります。
逆にデフォルトでSG381が搭載されているギターなど、本ペグよりも高い価格帯のペグと交換するメリットはやや希薄です。弦を張って安定したチューニングが保たれれば御の字という用途において、KIKUTANI GM-ST3は良い仕事を果たしてくれることでしょう。

本記事では上記表の2と3を併発したPLAYTECH TL280を使い、6の軽量化も念頭に置いた交換を行います!

KIKUTANI GM-ST3の外観から仕様、取付け、音質変化まで詳しくレビューです!
外観
KIKUTANI GM-ST3はヘッダー付きのビニール製パッケージを採用し、ペグ本体や付属品がまとめて封入されています。滑りにくい素材のビニールが使われていますが、内部ではペグや部品同士が擦れやすい状態なので保管時は注意が必要です。


パッケージはヘッダーをホチキス止めしているだけの簡易的なもので、長期保管時は湿度管理の行き届いた環境が求められます。ストック用の場合は入り数の欠品が無いことを確認した後に、別途チャック付き袋とシリカゲルを用意して保管することを推奨です。

ヘッダーの表面には型番とバーコードの入ったラベルが添付されており、裏面にはMADE IN TAIWANと表記されています。付属する白い紙は交換作業に伴う注意書きで、公式ホームページにも同様の記載があるため下記に引用いたしました。
注意事項
取り付けに関するご注意: パーツの取り付けには専門的な知識と技術が必要です。条件が整わない場合は、信頼できるギターリペアショップに依頼することをお勧めします。
取り付け時のリスク: 取り付け時に発生したキズやビス折れなどの破損については、当社では責任を負いかねますので、予めご了承ください。
カラーはクロームのみ
パッケージからペグと付属品を取り出してみると、ペグ本体表面のクロームメッキは価格帯相当の仕上がりです。GOTOH製やGrover製のような重厚さが伝わる光沢の強さではなく、どことなく汎用品的な軽さを抱く光沢となります。

KIKUTANI GM-ST3はクロームのみでカラーバリエーションが用意されておらず、本体ギアカバー上の白い膜は保護フィルムです。擦り傷などを防止するために作業前に剥がさないようにして、全ての調整が終わった後に剥がした方が良いでしょう。

保護フィルムを剥がすとルックスからKIKUTANI GM-ST3と認識するのが難しくなるため、本記事内では剥がさずレビューを行います。
付属品
付属品は取付け用のナット、ワッシャー、スクリューが各6本で、スクリューのみ小袋入りです。交換に必要となるパーツは全て含まれており、後はレンチやスパナ、プラスドライバーが手元にあればすぐに交換作業に移れます。

念のためFender The Arch Workstationなど、パーツ類をまとめて広げられるトレーがあると便利です。レンチやスパナは10mmに対応出来れば何でも構いませんが、無い場合は ESP MS-10 マルチスパナ などのツールを準備しましょう。

パッケージ開封後は本体と付属品を含めて外観に破損や目立った傷がないこと、そして部品類に欠品が無いことをご確認願います。
ギターいじりが捗るアイテム!
仕様
KIKUTANI GM-ST3の重量はワッシャーとナット込みの単体では27.8g、6個セットでは166.8gです。

参考までにGOTOH SG381は単体で35.5g前後、ARIA AT-235Gは32.6g前後、Wilkinson WJN07 E-Z-LOKは36.5g前後となります。GM-ST3はL6配列45度用ロトマチックペグの中でも特に軽量で、ヘッドの重心バランス調整や音の立ち上がりの改善に効果的です。
ただし軽量ペグはヘッド表面に振動が伝わりやすく、ハードウェア構成によってはサスティーンでどうしても優位に立てない側面があります。例えばFENDER FATFINGERはヘッドの重量増化で表面振動を抑え、弦振動のロスを防ぐ目的で開発されたサスティーン改善グッズです。
交換前のペグよりもGM-ST3の方が軽量だった場合、立ち上がりが良くなる反面サスティーン性能が低下する可能性を視野に入れておきましょう。
サイズ
各部寸法は下記寸法表の通りで、実測したところほとんど誤差がありませんでした。適合するヘッドはシングルサイドヘッド用L6配列、ヘッドのペグポストを通す穴はφ10mm以上必要となります。
ネジ穴位置は斜め45度につき、GOTOH SG381タイプのペグであれば概ねポン乗せで交換可能です。しかし低価格帯ギターではペグ穴が9.0~9.5mmと小径のモデルも多く、φ10mm未満のヘッドはペグ穴の拡張が必要となります。

付属品のスクリューはφ2.2×9mmと標準的なサイズで、交換予定のヘッドがφ2.3mm以上のねじ穴の場合は固定不可です。ねじ穴を埋めて再度φ2.2mmの穴をあける加工が求められるため、硬化時間を考慮すると1日作業では終わらないかもしれません。
ギア比とトルクの確認
ギア比は公表されていませんが、実測して確認したところ1:14と平均的な部類となります。手間がかかりますが交換作業へ移る前に、6個全ての個体のギア比とトルクのムラが無いことを確認した方が良いでしょう。

出荷時の状態ではトルク調整ねじがきつめに感じるものの、トルクのムラが少なく滑らかな稼働です。トルクを調整しても緩すぎる個体やきつすぎる個体、稼働時に引っかかりのある個体は不良品の可能性があります。

そのまま無理矢理取付けたり変に直そうと改造を試みる前に、作業を中断して購入店へ不良個体の旨を伝える方が賢明です。当然ですが取付け後に弦を張ってから発覚した不良は初期不良と客観的に判断するのが難しく、大半の楽器店では補償対応外となります。

ペグ本体とペグボタン間のワッシャーは厚手の樹脂製が1枚、薄手の黒い金属製ワッシャーが1枚でした。
価格相当な面あれこれ
KIKUTANI ギター・糸巻全般に言えることですが、金額が金額なだけに価格相当な面も散見です。まずペグ本体と部品が大雑把に封入されているパケージの性質上、高確率でメッキ表面に小さな傷が発生した個体が含まれています。

磨けばある程度までは回復するものの、ペグが1個ずつ固定されているGOTOH製のようにピカピカの状態ではありません。加えて付属品のワッシャーが薄く、厚さはGOTOH製ワッシャーの1/2以下となる1.0mmです。

ナットとワッシャーはメッキがクロームではなくニッケル風で、光沢が鈍い点も評価が分かれると思われます。性能に支障が無い範囲で色々とコストカットされている商品につき、ルックス面に上限を求ぬ割り切りが必須です。

とは言えギタいじでは過去に、海外の得体の知れない粗悪な激安ペグもレビューしてきました。海外製激安ペグよりも高品質であることは確かで、物価高が続く中でも低価格を維持している点は評価に値します。
ARIA AT-235Gとの関係
ARIA AT-235Gが手元にあると分かる要素ですが、刻印などからKIKUTANI GM-ST3はARIAと同じ工場で製造されていると推察です。厳密に採寸すると本体サイズが少し異なるため同一品ではなく、品質管理の面でもKIKUTANI GM-ST3の方が厳格な印象を持ちます。
付属のナットやスクリューはKIKUTANI GM-ST3の方が上質で、何よりも総重量160g台のロトマチックタイプペグは希少です。KIKUTANI GM-ST3とARIA AT-235Gは価格帯の差が明確につき、低価格なARIA AT-235Gの方が良コスパとは限らないとお考えください。
取付け
それでは実際にペグの調子が悪いPLAYTECH TL280を使い、KIKUTANI GM-ST3をインストールしていきます。2021年に紹介したPLAYTECH TL280は色々な実験に活用していたこともあり、ペグポストのグラ付きが目立ってきました。
通常ペグポストはある程度遊びがあるものですが、前後左右に1mm近くブレるものはチューニングや音質に悪影響です。カバーを外してウォームギアの増し締めで治る場合もあるものの、ギア自体が摩耗していたりと改善しないケースも多数です。
何よりも低価格帯ギター採用のペグは分解してまで治して使うに値する性能ではなく、新品に交換した方が手っ取り早いでしょう。
ペグポスト劣化による悪影響あれこれ
ポストのブレは第一にチューニング精度に悪影響を及ぼし、演奏中のチューニングの狂いを誘発しやすくなります。新品の弦を張った際もチューニングが安定するまでの時間が長くなったり、全く安定しなくなることも稀ではありません。

ポストが動く分だけ弦の振幅が大きくなるため、雑味の多い余計な低音を発生させたり音伸びが悪くなることもしばしばです。新品の弦に交換してもチューニングが安定しない場合や、音抜けの悪さを感じる場合はペグポストを確認しましょう。
指先でポスト先端を摘まみ、前後に揺らしてグラグラと1mm以上動く場合はペグの交換で正常化が見込めます。
適合性の確認
まずはPLAYTECH TL280の純正ペグを取外し、ペグ穴とネジ穴の位置を確認です。現行品のPLAYTECHではYOLNTHのペグが使用されていますが、GOTOH SG381を模した形状につき互換性はほぼ100%となります。

異なる点はペグポストの高さでYOLNTHが約23.5mmに対し、KIKUTANI GM-ST3は23.0mmです。僅か0.5mmでもナットにかかるテンション (※) が強くなるので、音質がタイトに変化する傾向があります。
※弦のテンションとは異なる、詳しくはコチラの記事を参照。
ペグポストの穴とねじ穴の適合を確認した後はいきなり増し締めを行わず、ペグボタンを均等な間隔に揃えましょう。1点止めのペグは2点止めのクルーソンタイプとは異なり、ボタン位置が上下に数度ズレる余地があるためです。

何も考えずに装着してしまうと、ペグボタンの間隔が不均等となり見栄えが悪くなります。専用の治具もあるにはあるのですが、かまぼこの板等を使いペグ側面の直線を取るだけでもOKです。
ルックスの変化
KIKUTANI GM-ST3とYOLNTHのペグは見た目がほとんど同じで、交換後のルックスに大きな変化はありません。交換した本人は光沢の違いやねじ止め部分の形状の差異などを感じられるものの、第三者には違いが分からないと思われます。

GOTOH製やGrover製のように刻印も無いため、どのような形状や色のギターにも合わせやすいデザインですね。KIKUTANI GM-ST3ならではというルックスの強みはありませんが、少なくとも交換後に美観を損なう要素は無いでしょう。
トルクやチューニング精度
デフォルトのトルクは少しきつめですが、稼働は滑らかで弦を張った後もブレずに安定しています。チューニング精度も全く問題が無く、ギア比の変化 (YOLNTHは18:1) 以外は上々の使い心地です。

むしろYOLNTHはギア比18:1でありながら、ペグボタンを回すとギコギコと引っかかる感触がありました。低価格帯ギターペグ特有のギア比の高さを活かしきれていないペグで、精度はKIKUTANI GM-ST3の方が圧倒的に上手となります。

PLAYTECHと同価格帯のエレキギターであれば、新品購入直後にKIKUTANI GM-ST3へ交換しても良いかもしれません。GOTOH製やGrover製には及ばぬものの、チューニング精度の改善や弦交換後の安定感向上が見込めそうです。

トルクをもう少し軽くor重くしたい場合はペグボタン側面の調整ねじで微調整しよう!
サウンド
最後にペグをKIKUTANI GM-ST3に交換した前後でどの程度音質に違いがあるのか、多方面から計測して調査してみました。比較計測したのは倍音特性、周波数特性、サスティーン性能、音の立ち上がりの4項目となります。

念のため申し上げておきますが、KIKUTANI GM-ST3は交換することで音質が無条件に改善されるパーツではありません。劣化した状態のペグや低品質なペグと交換することで、本来期待出来る水準の音質を取り戻せる可能性がある……というパーツです。

そもそもペグ自体が重量やペグボタンの種類、ロック機構の有無、ポストの高さ、ワッシャーサイズ等で音質が変化する性質を持ちます。一概に共通の音質変化を見込めるパーツではないため、交換後は少なからず音質が変化するものとお考え下さい。
倍音特性の比較 (A2/110.00Hz)

PLAYTECH / EGS-0942 (.009-.042)
倍音は周波数が分かりやすいように、5弦開放弦 (A2/110.00Hz) のデータを採用です。以降全ての計測データにはPLAYTECHが誇るハイコストパフォーマンス弦、EGS-0942 (.009-.042) を使用しています。
i.交換前 PLAYTECH TL280 純正ロトマチックタイプペグ (YOLNTH)

ii.交換後 KIKUTANI GM-ST3 ロトマチックタイプペグ

交換前は基音と低次倍音の出力 (縦軸) が均等でコンプレッション感が強く、非整数倍音が全帯域で高めの値でした。交換後は非整数倍音が控えめに変化し、基音と低次倍音の出力差が適度に発生しコンプレッション感が低減です。
テレキャスタータイプ固有の鋭さを生む2k~3kHz付近は高い出力を取り戻し、倍音が計測された帯域 (横軸) も広くなっています。全体的に雑味の無いクリアな響きを取り戻し、中高音の力感と高音の鋭いエッジが加味された倍音特性です。
倍音特性波形の周波数目安
左端側の太長い山(中央灰色線)が基音110Hz 偶数次倍音:第2倍音(220Hz)、第4倍音(440Hz)、第6倍音(660Hz)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(330Hz)、第5倍音(550Hz)、第7倍音(770Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
周波数特性の比較
周波数特性はDI直で同一フレーズを繰り返し、平均的なスペクトラムを算出しました。
a.交換前 PLAYTECH TL280 純正ロトマチックタイプペグ (YOLNTH)

b.交換後 KIKUTANI GM-ST3 ロトマチックタイプペグ

交換前後の周波数特性は倍音特性の影響が大きく、KIKUTANI GM-ST3は800~1kHz付近と2k~4kHz付近が強く計測されています。KIKUTANI GM-ST3に交換した後は最大出力も+0.5dBほど上昇しており、アタック時の力感の変化は生音レベルでも実感可能です。
唯一100Hz以下の低音のみ交換前の方が高い値を示しますが、これは基音以下の非整数倍音の大きさが要因となります。音程を感じさせぬモヤのかかった低音が払拭されたため、交換後の低音はパキっと引き締まった音像です。
周波数特性波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz
橙線:400Hz,800Hz
桃線:2000Hz,3000Hz,6000Hz
サスティーン
サスティーンはDI直で開放弦Eコードを1ストローク鳴らし、出力が0になるまでの時間を計測しています。ペグ交換前のサスティーンを基準に、KIKUTANI GM-ST3へ交換後に±何%音伸びが変化したのかを確認です。
平均:+2.1%
最小:+6.9%
最大:-5.7%
KIKUTANI GM-ST3は総重量166.8gに対し、PLAYTECH純正のペグは総重量183.6gとなります。ヘッドは重量が重いほどサスティーンで優位になるため、最大サスティーンは純正ペグの方が上手です。
しかしペグの消耗と劣化に伴うポストのグラつきが弦振動を阻害する点が大きく、サスティーンのムラが激しく計測されました。平均値ではKIKUTANI GM-ST3の方が安定して高い値を記録し、最小サスティーンに至ってはKIKUTANI GM-ST3の方がかなり優秀となります。
つまり重量のアドバンテージが得られぬほど、消耗したペグの弦振動ロスによるサスティーン低下は顕著となるのです。もしも消耗していない状態の純正ペグであれば、全ての項目を上回っていたことも考えられるでしょう。
立ち上がりの速さの比較

サスティーンの計測と平行して、音の立ち上がりについても調査しました。交換前のペグを基準にすると、KIKUTANI GM-ST3へ交換後は4.8ms (0.0048秒) ほど速い値を記録しています。
同一素材であれば総重量が重いほどサスティーンが伸びやすくなるものの、立ち上がりは鈍化傾向となる表裏一体の要素です。立ち上がりの速さの改善は軽量ペグの大きな利点となるため、先述の通り音質的な面でARIA AT-235Gと差別化が出来ます。

金属製ペグボタンで立ち上がりの速い軽量ペグは結構希少だよ!

もっと軽量にしたい場合はギタいじの過去記事を参照してね!
ペグ軽量化 参考記事
計測に使用した機材
ギター:PLAYTECH / TL280
ギター弦:PLAYTECH / EGS-0942 (.009-.042)
ピックアップ:HOMELAND / クリアボビン TLピックアップ (ブリッジ)
イントネーションスクリュー:uxcell / pc ハンドルネジ M3x16mm (グリーン)
使用ピック:Aria Pro II / P-HT01/080 YL
シールド:ARIA / JG-10X (10ft/3m, S/S)
マイクケーブル:Amazon / CLMIC1-M-F-10FT-5P×1
使用機材レビューリンク
まとめ
KIKUTANI GM-ST3は平均的な性能と精度を備え、大手ブランド製品よりも遥かに低価格を実現したロトマチックタイプペグです。交換補修用ペグとして評判が高いのも頷ける品質で、同タイプのペグと比較して軽量設計である点にも希少価値があります。

ルックスは没個性的ですがどのようなギターでもオールラウンドに使いやすく、トラブル用にストックしておくと非常に便利です。国内ブランド製品では選択肢が少ない中、価格と品質の両面で優れたパフォーマンスを期待出来るペグに仕上がっています!
🏃💨今すぐ KIKUTANI (キクタニ) GM-ST3 の売場に突入👉👉


GM-WC1 (3×3 グローバータイプ)
GM-FP (3×3 カバードタイプ)
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