【ハードPAF】Seymour Duncan SH-5 (TB-5) レビュー:Duncan Customの音が知りたい!【ダンカン】

👆 Seymour Duncan SH-5 (TB-5) Duncan Custom レビュー!

Seymour Duncan SH-5『Duncan Custom』について、公表データの追加や倍音特性の掲載など、情報を大幅に強化した上で記事をリニューアルしました!
目次
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Seymour Duncan SH-5 Duncan Custom 音質の特徴をチェック!
今回は Seymour Duncan (セイモアダンカン) より、 SH-5 Duncan Custom のサウンドデータをご紹介です。SH-5 Duncan Customは59年製PAFがベースとなるSH-1に、更なるオーバーワウンドコイルアレンジを施したモデルとなります。
マグネットはミニサイズセラミックバータイプとなり、コイルターン数も向上です。SH-1よりも締まった低音と空気感溢れる高音を備え、ハイゲイン化を実現しています。
ローとハイの谷間が特徴的だったSH-1ですが、SH-5 Duncan Customでは中音域の力感も底上げです。高出力ながらウォームな雰囲気が損なわれず、整然とした倍音バランスも光ります。
ガッツリ目の真空ワックスポッティングはSH-1と共通で、ハウリング対策も万全です。PAF的なデザインが元でありながら、飛び出す音色は一層モダンで明瞭な傾向となります。激しく歪ませても通用するため『ハードPAF』と称したくなる程ですね。

ブリッジ専用ピックアップなのでネック用モデルは用意されていないよ!

ちなみに、ダンカン公式による『SH-5 Duncan Customと組ませたいネック用ピックアップナンバーワン』はSH-1n!
Seymour Duncan SH-5 Duncan Customは各種オプションも充実!
他のSH型番ダンカン製ピックアップと同様に、SH-5 Duncan Customもオプションが充実しています。ピッチを0.414インチに広めたトレムバッカーTB-5の他、7弦用もラインナップです。
ボビンカラーやカバーデザインもSH-1と同じ仕様が選べ、選択肢が豊富となっています。ワイヤーは共通して4芯シールドを搭載し、標準でコイルタップにも対応可能です。
高出力モデルらしく、多彩な配線アレンジが楽しめる点も魅力の一つかもしれません。
トレムバッカーTB-5について
標準タイプのSH-5はTune-o-matic (TOM) 採用のGibson製レスポールでの使用を前提とし、弦間は0.385インチで設計されています。ただしFender製ストラトキャスターやFRT搭載モデルでは弦間が狭くなるため、弦間を広げたトレムバッカー (Trembucker) が開発されました。
トレムバッカー TB-5は弦間が0.414インチと広く、ワイドピッチに使用しても1~6弦までサウンドのバランスが良好です。目安としてブリッジピックアップザグリ真上 (※) にて、1弦から6弦までの距離が50mmを超えるモデルはTB-5を選択すると良いでしょう。
※ブリッジサドルのピッチではなく『ブリッジPUザグリ真上の弦ピッチ』である事に留意
標準モデルSH-5およびトレムバッカーTB-5の主な差異はこのピッチが主となり、コイルターン数は共通となります。細部ではTB-5はベースプレートが片側3穴タイプで、3点支持や4点支持のエスカッションにも対応です。
SH-5とTB-5のコイルターン数は共通ですが、TB-5の方がピッチが広い分だけワイヤー長が必要となるため直流抵抗値が高くなります。ワイヤーの長さによる抵抗値の差につき、SH-5よりもTB-5の方がハイゲイン設計という訳ではないとお考えください。
今回はブリッジにSH-5 Duncan Customをマウントし、倍音特性や歪み度合による周波数特性の変化を調べました。
参考記事
» 【定番】Seymour Duncan SH-1b レビュー:’59 Model bridge モダン風PAFの音を徹底解説【TB-59】
カスタムの元となったSH-1bのサウンドデータはこちらの記事からチェック!
公表データの確認:Seymour Duncan SH-5 Duncan Custom
ブランド:Seymour Duncan ( セイモア・ダンカン )
モデル:Duncan Custom (Ceramic Medium Output Humbucker Pickup)
型番:SH-5 (Bridge) / TB-5 (Trembucker)
マグネット:セラミック (Ceramic Bar)
直流抵抗値:14.1kΩ (Bridge) / 14.8kΩ (Trembucker)
アウトプットタイプ:High
出 力:8.8
トーンチャート:低音域 7 / 中音域 6 / 高音域 9
レゾナントピーク:6.00kHz
ワイヤー:4c Shielded
弦間:0.385インチ (Bridge) / 0.414インチ (Trembucker)
推奨ボディ材:バランスの取れたウォームなトーン持つギター全般 (マホガニーやアルダーなど中音域にアドバンテージのあるボディ材、またはパーツ構成であれば何でもOK)
推奨指板材:ローズウッド指板

Seymour Duncan SH-5 Duncan Custom 倍音特性 (E2/82.407Hz)
手始めにアンプをクリーントーンに設定し、レギュラーチューニング6弦開放の倍音特性 (E2/82.407Hz) を確認です。SH-5はSH-1をハイゲイン化したモデルだけあり、概ねSH-1の倍音バランスを保ったまま出力を向上させた波形となります。

基音と第二倍音は出力 (縦軸) の高さだけでなく波形の山のすそ幅が広く、SH-1よりもパワー溢れるハードなアタック感です。中~中高音に該当する倍音は出力向上が目覚ましく、高次倍音は出力の高さに加え計測された帯域 (横軸) も広がっています。
非整数倍音も全帯域で強く検出されているため常に音程を伴わぬ空気感を内包し、整然とした倍音構成が華やかな響きを構築です。要所で奇数次倍音の出力が高まる傾向が見受けられ、SH-4などよりも鋭くクールな音のキレを備えています。

中高音の倍音出力の高さは歪ませた際に爆ぜるようなハードなドライブを演出する肝となるよ!
倍音特性波形の周波数目安
左端の山(中央灰色線)が基音82.407Hz 偶数次倍音:第2倍音(164.814Hz)、第4倍音(329.628z)…… →ナチュラルで暖かな傾向の響き、多いほど親しみを感じやすいという研究結果も 奇数次倍音:第3倍音(247.221Hz)、第5倍音(412.035Hz)…… →金属的で冷たくメカニカルな傾向の響き 非整数倍音:各倍音の谷などに含まれるが音程を感じさせない
クランチのSeymour Duncan SH-5 Duncan Customはこんな音!
アンプのGAINを少し上げて、標準ストロークで軽く歪むようにセッティングです。SH-1と比較すると音の中心は300Hz付近と共通ですが、他の帯域は微妙に異なります。まず低音域はそこまで有効範囲が広くなく、140Hz付近を境に控えめとなる傾向です。ところが100Hz以下は減衰の坂がなだらかで、重低音が持ち上がる特性となっています。

ミッドレンジは力感十分となっていて、300~4kHzにかけてなだらかに減衰です。1.4kHz付近に少し弱い帯域がありますが、SH-1以上にホットなトーンを奏でます。高音域はSH-1と大差がなく、3k~5kHzにかけて微増している程度でしょうか。超高音域はSH-1がやや上手で、聴覚的にもSH-1の方がトレブリーに聞こえるかもしれません。

有効範囲を絞った低音と持ち上がる重低音が引き締まったタイトな響きのローエンドを演出!
Seymour Duncan SH-5とSH-1の出力比較

SH-5の波形にSH-1の出力を調整すると、下記波形の通り低~中音域に大幅な開きがある様子でした。

公表出力は約22%増となっており、計測結果からもほぼ近い値となる出力差です。アンプのボリュームを揃えた場合、SH-1にパワーとサスティーンがブレンドされたSH-5のハイゲイン度合を体感できる事でしょう。
オーバードライブのSeymour Duncan SH-5 Duncan Customはこんな音!
GAINを上げるとサウドのボトムが一気に広がり、200Hz以下の帯域に一本芯が通ります。ズドンと響く感じではありませが、単音では特に音の輪郭が太く存在感アリです。中音域はSH-1程ではないものの、ややドンシャリ傾向に変化して飽和感が高まります。

800~2KHz付近にかけて緩やかな谷を形成し、2.5kHz付近に独特なピークが出現です。この味付け加減が絶妙で、公式でも『個性的でクランチな中高域』と解説しています。オーバードライブでは6kHz以降の帯域に関しても、SH-1以上の周波数特性に変化です。高音域9の公表値らしく、歪ませても潰れにくいキレ味の鋭さを演出していますね。
ハイゲインのSeymour Duncan SH-5 Duncan Customはこんな音!
思いっきりアンプを歪ませると、オーバードライブ時の面影が消失です。確かなローエンドと破裂するようなハイエンドに変貌し、ドンシャリ感が増長されます。400~800Hにかけてギュっと絞られて、中音域の中心が高音寄りにシフトしました。故に独特の中高音域が更に引き立っており、2k~2.5kHz付近が強烈なインパクトです。

2kHz、2.4kHzと小さなピークが連続して出現するため、クランチ感が炸裂しています。説明が難しいのですが、ここでいうクランチ感とはバリっとした爆ぜ具合の事です。ピッキングした瞬間に即歪むようなスピード感があり、メタルにも良く合うと思います(ブリッジミュートで刻むと爆ぜ具合が良く分かる👍)。

必要以上に低音や重低音が主張せず、中高音の引き立つサウンドはドロップチューニングにも最適!
波形の周波数目安(左から順に)
赤線:100Hz,200Hz 橙線:400Hz,800Hz 桃線:2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan SH-5 Duncan Custom 音質解析まとめ
締まったボトムと高音の飽和感に、中高音域の爆ぜっぷりが良いハイゲインモデルです。歪みによるトーンの可変幅が広く、ローゲイン設定ではブルースも難なくこなせます。

近代的なサウンドやドロップチューニングにもマッチしており、空気を裂くように唸るドライブ感が秀逸です。ロックやメタルは勿論の事、歪みの守備範囲が広いサウンドは試す価値があります!
🏃💨 Seymour Duncan SH-5 Duncan Custom で歪みの新世界を知る🎸

Seymour Duncan SH-5
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